スポークの交換~組み換え方の解説とその法則について

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スポークホイール組立て
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旧車ワイヤーホイール スポークの交換方法

古い年式のバイクの多くがいわゆる「ワイヤーホイール」、スポークホイールです

ハブの磨きやリペイント時に必ずセットになる作業がこのスポーク交換です

センター出し・振れ取りは高度で面倒な作業のひとつですが、スポークが綺麗だと車体全体が綺麗に輝きより引き締まります。組み換えはコツを掴んでしまえばパズルの様に楽しめる整備となるでしょう。

ここではZ1/Z2のホイールを題材に組み換え・交換作業を解説していきます

 

CB750/CB400F、GS400、GT750、マッハ等も同様の工程ですので参考にして下さい。スポーク本数はカワサキが「40本」、ホンダ・スズキは「36本」の設定が多いです。

スポークには「アウター」と「インナー」の2種類がある

~~~スポークは基本的に1車輪でアウターとインナーの2種類の形状の物が使われており、
   アウターとインナーは交互に並んでいます
リヤがディスクブレーキのZ750D1/Z1000等は同じカワサキでも後輪は4種類のスポークが使われています。ディスク側スポークがスプロケット側よりも長く、そしてアウター&インナーがありますのでその合計は4種となります。
【アウターとインナーの形状比較】

 

アウターは外側に出ているスポークで、

インナーは文字通りホイール内側にセットされているスポークの事を指します

スポークは一定の規則で並び構成されている

~~~両サイドのスポークの並び順が分かれば間違える事無く組めます

これをひと穴間違えて組んでしまうと、一個とびにニップルがホイール内に飛び出てしまいます。

私自身も初めて組んだ時はそうなってしまい、なぜそうなるのか気付くのに時間が掛かった記憶があります。

 

 

 

ホイールを左側面から見た画像です

この画像の位置関係通りにアウターとインナーをセットします

左側アウターよりも右側インナーがひと穴後方にくるようにセットするのが正解です

この2本の位置が分かればアウターとインナーは交互に差し込まれるのでこの後間違える事はありません

~~~アウターはハブ内側から差し込み、逆にインナーはハブ外側から穴に通していきます

リムに向かうスポークの方向~実際のスポークの組み方

~~~アウターとインナーのスポークがハブにセットされたら次の段階に移ります

 

スポークは全ての方向に正しい向きで並べておいてからリムを被せます

スポーク全方向に位置を合わせておいてからリムを被せてニップルで固定していきます。リムを被せてからのスポークの移動は窮屈で、殆どの場合リム表面に傷を付ける事になります。

最初に位置合わせをしておくとハブ内でスポークが引っかかったり、向きを変える際にリムに傷をつけてしまうと言ったトラブルが回避されるのと、何よりもこの方が効率良く組み立てが出来るからです。

 

 

ホイールは左側面を上向きにしてセットします

右側面/外側・一番下を①とし、右側面/内側・二段目を②、左側面/内側・三段目を③、左側面/外側・四段目を④として説明を進めていきます

 

 

①のスポークを左方向に向けます

 

②のスポークを右方向に向けます

 

③のスポークを左方向に向けます

 

一番上面、④のスポークを右方向に向けます

~~~これでようやく下準備が完了しました

 

リムに開いた穴には上下・左右に角度が付いており、当然の事ながらスポークの向きに合わせないと穴には通らない仕組みです。 ですのでハブのスポーク方向を整えてからセットする事により、穴の位置を間違える事無く組む事が出来ます。

 

【注】ここからの画像はZ1/Z2リヤホイールになっています

 

リムにスポークを通す順序は、先とは反対に④→①の順で作業を行います

④を通します

 

④の面全てのスポークが通りました


 

③のスポークを通していきます

 

左側面の完成です


 

片側出来た時点でホイールをひっくり返す人がいますが、穴に通っていないスポークがバラバラになりますのでひっくり返さずこのまま組むのが正解です

 

この辺りからスポークが穴に通し辛くなってきますが、正反対側ニップルが穴に引っかかっていて隙間がなくなっている場合が殆どですので確認しましょう


 

スポークを通すだけの隙間は必ずありますので、先にも述べましたがその余裕が無く穴に通せない場合は引っかかっていないかを確認しましょう

 

これで「リム組み」は完了です

~~~ニップルは指で回して止まった所で仮組みが完了です

 

ニップルは十字の位置に少しずつ締め込んでいくと、この後の「振れ取り」作業に於いて「縦振れ」が取り易くなります

 

この後は車体に取り付けて「振れ取り」の作業をして完成となります。

★「振れ取り」に関しては下記リンク先をご覧下さい★

 

【ニップルレンチの紹介】

ニップルレンチとはその名の通りスポーク・ニップルを締め込むための専用工具です

バイク用は8番・9番・10番・11番とサイズがあり、Z1/Z2,W3では純正スポークで9番

社外ステンレススポークで8番です(数字が大きくなるとサイズは小さくなります)。