1次側と2次側での点検方法
ここではマニュアルに沿った点検方法と実際の作業に基づいた解説をしています。
W1S,W1SA,W3のイグニッションコイル
3車でコイルは違います
W1SAとW3のコイルは同じ物の様ですが、車体側への固定方法が異なりますので部品番号が違います(固定位置が違うのでプラグコードの長さとコイルを固定するステーが各々違ってきます)。
イグニッションコイル点検方法 ~W1/W1S編
イグニッションコイルは車体より取り外し、2本のハイテンションコードを外します
1次コイルのプラス端子とマイナス端子との間にテスターを設置して導通を測定します。
《1次側導通テスト》
《1次側コイルの抵抗値》
テスターのレンジを「×1Ω」に設定し、プラスとマイナス端子間の抵抗値を測定します。
メーカー標準値は「4Ω」で、この前後10パーセント迄が規定値範囲・使用限度となります。
***テスターの目盛りは一番外側・赤字の「Ω」部分を読み取ります***
【2次側コイルの点検】
2つのハイテンションコード(プラグコード)取り付け端子にテスターをあてて測定します。
《2次側コイルの抵抗値》
***2次側コイル測定の注意点は必ずレンジを「×1kΩ」にして測る事***
【1次コイルと2次コイルの絶縁テスト】
Wのコイルは1次コイルと2次コイルとが完全に絶縁された構造になっています。
1次コイルのプラス端子と2次コイルの端子A若しくはBとの間にテスターを設置し、導通が無ければ正常です(導通がある場合は不良・交換となります)。
イグニッションコイル点検方法 ~W1SA/650RS・W3編
イグニッションコイルは車体より取り外し、ハイテンションコードを外します
1次コイルのプラス端子とマイナス端子との間にテスターを設置して導通を測定します。
W1SAとW3のマニュアルはありませんが、正常であればW1Sと同様の数値が得られますので
W1Sのマニュアルに準じた測定方法と標準値で間違いありません。
《1次側導通テスト》
《1次側コイルの抵抗値》
テスターのレンジを「×1Ω」に設定し、プラスとマイナス間の抵抗値を測定します。
メーカー標準値は「4Ω」で、この前後10パーセント迄が規定値範囲・使用限度となります。
【2次側コイルの点検】
1次コイル・プラス端子とハイテンションコード(プラグコード)接続端子間にテスターをあてて測定します。
《2次側コイルの抵抗値》
測定機器はなるべく精度が高く高耐久の製品を使うのが望ましいです
解説にも使用している信頼性の高いアナログの日置製テスターがお薦めですが、携帯にも便利でコンパクトなデジタル・ポケットタイプが使い易いでしょう。
テスター測定時の注意点
難しいことではありませんが幾つかの注意すべき点があります
- 抵抗値を測定する前には必ず「零点補正」を行う。
- 1次コイルは「×1Ω」、2次コイルは「×1kΩ」で測定。
- 測定金具や端子に手が触れない様に測定時には気を付ける。
1の「零点補正」はレンジを変えて測定する時は必ず行う作業です。
本来、レンジを変更しなくても毎回行う様に習慣づけられるのが望ましいです(筆者はレンジを変えずとも測定毎に行います)。
2のレンジ変更ですが、これを間違えると針が振れません(2次側・1kΩレンジ)。
マニュアルにはそこまで親切には説明がありませんので気を付けて下さい。
3の金具と端子に触れない様に注意するのは、触れたまま測定すると自分自身が抵抗になりますので正しい測定が出来ないと言う事です。
~~~以上に注意してしっかりと正確な数値を導ききちんとした整備を心掛けましょう。
W1Sでの絶縁テストがそのままW1SA/W3での2次側コイルの点検方法となります。