Z1/Z2 クランクケースに発生するクラック~クランクシャフト・ベアリング部分へのダメージ

Z-1
Z1/Z2 クランクケースのクラック
Z1,Z2 クランクベアリング・ピン部分のクラック

エンジン分解に於いて時々目にするのですが、クランクベアリングの納まる部分。ここは回り止め・位置決めの為「ピン」が付いていますが、このピンを中心に広がるひび割れ。どうしてこの様な事が起きるのでしょうか~?

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ピンの取り付け時は要注意

~~~このピンは圧入されておらず分解時に取り外される事も多いです。それによって引き起こされるトラブルがこの「クラック」なのです。クランクケースを合わせる段階で分かりにくいのが難点で、組付け前にしっかりと確認しないとこの様な事態を引き起こします。

【クラックの発生するメカニズム】 

これはピンの取り付け時に潤滑剤などを塗布して組んでしまう事により発生するトラブルです。

潤滑剤は「液体」です。ピンの下に(穴中に)残った潤滑剤の逃げ場が無くなり、合わせたケースをボルトで締め付ける時に穴の中の内圧が増大しケースを割ってしまうのです。これは水没した車のエンジン内に混入した水を圧縮し、ブロックが破裂するのと同じメカニズムです。

ピンは洗浄後必ず乾いた状態で組む事。ケース側穴もエアブローで清掃後は潤滑剤など塗らず乾いた状態にしておく事。この2点が重要です