Z1/Z2・W3 ~スピードメーターの不調・メーターギヤの整備・修正方法

W3
Z1/Z2・W3~スピードメーターギヤの分解整備
Z1/Z2・W3に見られるスピードメーターの作動不良の原因

まず最初にメーター側の点検から始めます


 

スピードメーターの作動確認方法

メーター側に不具合が無い場合はギヤボックス内に原因があります

メーターケーブルを外して細めのドライバーを差し込んで「反時計回り」に少し勢いをつけて回転させます。
そうすると、正常であればメーターの針が僅かに振れます。
振れない物はメーターに原因があります。

メーターは車体から外さなくとも、長めのドライバーがあれば点検可能です

この検査方法は暫定的なもので、動くか動かないかの判断方法です。
小刻みに針が振れたり正常値を示さない様なメーターでもこの方法で針は振れますので、
そこはご了承下さい。

 


 

スピードメーターギヤボックスの点検 ~分解前の難関を解説

アクスルシャフトが固く締まっていて緩まない

Z1/Z2・W3の6穴ホイールのアクスルシャフトが固く締め付けられている時は
ホイールをタイヤチェンジャーで固定して、シャフトの下側にあてた工具をチェンジャーの爪に
引っかけて固定します。この状態にするとシャフト上部を工具で回し易くなるので殆どの場合
これで緩める事が出来ます。
一般には通常チェンジャー使用は不可能ですのでDIYの時は・・・、
フロント用バイクスタンドを使ってホイールを垂直固定。
片側に21mmスパナまたはモンキーレンチをあて、工具のハンドル部分に長めのパイプを差し込みます。ホイールを横から見て右下・地面に接地させれば、これで反対側からシャフトを回しても動かない様になります。この状態でシャフト反対側にあてた工具で緩める事が出来ます。

言葉だけでは伝わらない部分もあるかと思いますので、いずれ作業画像を掲載します

 

 


 

スピードメーターギヤボックスの点検 ~分解と洗浄

まずは分解・洗浄から

残っているグリスをぬぐってから洗油で洗います。その後、洗剤で仕上げ洗いで準備が完了です。この洗浄する作業が一番大変なので、ここまで出来れば半分以上終わったも同然です。

 


 

「レシーバー」と呼称されるプレートが曲がっています。
これではホイール側の溝に嵌らず逃げてしまいますのでメーターは動きません。
ギヤ部分から外せますので単体にして平らに修正します。


 

ここではプレス機を使って直していますが、厚手の金属板など固く平らな物の上に置いて、ハンマーで叩いてもここは問題ありません。


 

ギヤボックス側のギヤも洗浄すると分り易いので、消耗具合と作動確認をします。
グリス切れで長い間乗られていた車両は嚙み合い部分が酷く劣化している事も多いので要注意。
オイルシールはリプロ品がありますが、今回は状態が良いので純正部品をそのまま使っています。


 

ケース内のギヤ部分に極圧潤滑剤・グリスタイプをスプレーし、その後にギヤにグリスを満遍なく塗っていきます。ここは回転させながら行うと綺麗に塗る事が出来ます。
レシーバーの付いたギヤの内側にはグリス溜まりの溝がありますので、外側のみならず内部にもしっかりと塗布します(相手側・ケース側の当たり面には極圧グリスをスプレーしておきます)。


 

ギヤが収まったらレシーバー部分にもグリスを塗ります。シャフトの通る筒内部には防錆用の潤滑剤を塗布。オイルシール部分へのグリスは薄く塗っておくだけで十分です。
ホイールへ組み込み前にギヤを回転させてグリスを馴染ませます

 

 

 


 

ホイールへの組み込み

ホイール側内部には防錆用潤滑剤を塗布

まずはアクスルのカラーが付く所のみに薄くグリスを塗ります。
そしてカラーを挿入し、残りの部分にグリスを塗ります(ここも薄く)。
なぜこの順序にするかと言うと、最初から全ての面に塗ってしまうとカラーを入れた時、
余分な大量のグリスがアクスルの端に寄せられて溜まってしまうからです。


ホイール側・オイルシールにも薄くグリスを塗り、アクスルシャフトのネジ部分にはカジリ防止用の専用グリスを少量塗布(画像程度で十分です)。
メーターギヤボックスをホイールの切り欠きに合わせて手で押さえつつ、シャフトを挿入・ねじ込んで組み込みは完了です。


 

サンプルは「ハヤシキャスト」ですが、純正ホイールも社外ホイールも作業方法は同じです。