Z1,Z2 エンジンオイル交換
最も身近なメンテナンスのひとつに「オイル交換」があります。難しいものではありませんが、ツボを押さえた適正な整備で快調な車体にするのがここでの目的です。
もう一度基本に立ち返って整備のおさらいです。
Z1,Z2 エンジンオイル量
オイルキャップやマニュアルには「3.7L」と表記されていますが、実際にはどうなんでしょう~?
エンジンを全バラにしてのオーバーホールをすると当然オイル交換時よりも多くのオイルが入ります。実測でなんと「5.0L」弱です。ですので交換しても1L以上は古いオイルが中に残っている訳です。ですのでオイルの銘柄を変えても1回目ではまだ100パーセントの入れ換えは出来ていないと言う事です。
オイルフィルターを外してしてセルを回してオイルポンプを作動させ、車体を左右に傾け根気よく抜いて規定値の「3.7L」の交換になります。
フィルターを交換しない場合はフィルターカバーについているドレンボルトを外せばフィルターケース内のオイルが排出されます。
このドレンボルトは経年劣化で捩じ切りやすいので締め付けは要注意。
折れてしまった時は代用品の販売があります。
オイル交換時の注意点
綺麗に隅々までオイルを抜く事も大事ですが、オイル量の確認ってどうなんでしょうか~?
しっかり抜いたらオイルレベルで合わせれば良いのでは~?
そうですね、オイルレベルゲージがついていますのでそこで確認すれば良いですね。
ここで大事なのは「車体を真っすぐに立てる」ことです。 メインスタンド・センタースタンドが付いている場合でも厳密には前傾姿勢でありレベルは狂っています(後輪が浮いた状態ではエンジンが前のめりの状態を作り、それによってレベル調整に誤差が生じます)。
前後タイヤが接地した状態を作り、その環境でオイルチェックをするのが望ましいです。二人で作業を行えると簡単ですが一人の場合は「フロントスタンド」を使うと便利です。
規定値とは違う実際のエンジンオイル適正量
先に挙げた方法でオイルを抜くともう殆どそれ以上の排出は構造上望めません。そしてここまでしてオイル・アッパーレベルいっぱいまで入れてようやく「3.7L」の規定値に達します。
うわぁ~ いっぱい入ってよかったわ~♪
・・・残念ながら規定値まで入ればOKというものではありません。
街乗りからサーキットまで含め、「3.5~3.6L」この辺りが理想的な数値です。
オイルと言うのはエンジン内部での各種抵抗になってもいますのであまり多くない方が良いとされていますが、少ないと今度は冷却と潤滑の面で不利になります。そういった面から検証の結果、その中間のベストな位置がこの「3.5L」なのです。
5分の暖機運転(空吹かしせずアイドリングの状態で)の後、車体を真っすぐに立てた状態で同じく5分程放置。そして点検しますが、レベルゲージの範囲内「2/3」までの位置で先の量「3.5L」になります。
次回からのオイル交換の参考になればと思います。
【オイルクーラー付きの車体について】
オイルクーラーホースがコア上部から出ている「オイルリザーブタイプ」でなければ先のオイル量はほとんど変わらず、レベルゲージ2/3で「3.6L」を超える事はありません。