レストア・カスタムの必需品~ステンレス製品の可能性

W3
ステンレス研磨 バフ仕上げ
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【ステンレスは錆び難く磨くと光る素材】

旧車のリプレイス部品で多く使われる「ステンレス」製品ですがその他様々な部分で使われています。

特徴として錆びない(厳密には錆びるので錆びにくいと言うのが正解)ので状態維持にはもってこいな素材なのですが、他にも代表的な性質として研磨すると光ると言う事。

 

サンプルはブレーキホースに使う「フォージ」

手前がバフ研磨後です。

クロームメッキよりも安定した輝き

例えば「W」ですとやはり再メッキしたりリペイントでピカピカにしたいと願うユーザーさんは多いもので、クロームメッキに拘って作り込まれた車両はやはり見ていて気持ちの良い物です。

でも悲しいかなメッキの宿命としてどんなに手入れしていても分解しないと手の入らない部分は湿気と埃によって必ず表面に錆が出てくる事。メッキ層には塗装面と同じ「ピンホール」という素地から表面への云わばトンネルが出来ていて、ここに湿気が入り込んで素地から錆が発生する構造です。話は若干それますがフロントフォーク・インナーチューブに「WPC加工」をすると錆が出なくなると言うのは、メディアを表面に打ち付けていく過程でそのトンネルが潰されて水分が浸透しなくなるからです(インナーチューブも表面はメッキ層ですので錆止めの効果は大きいです)。

ステンレスを研磨するとクロームメッキと同じ輝きになりますが、表面の平滑さはステンレス研磨に軍配が上がります。角張った部品に於いてはその角がしっかりと「立つ」のでボルトやナットはとても綺麗に仕上がります。ワッシャーにクロームメッキをかけてもサイド部分まで綺麗にメッキ層がのらないので各種平ワッシャーとM8までのスプリングワッシャーに関してはステンレス研磨がお勧めです。

 

ワッシャーサイドはベルトサンダーで側面の研磨・下処理後にバフで仕上げると綺麗です

そのまま使うよりも研磨して光らせる

 

 

これはPMC販売のZ1/Z2用リヤブレーキロッドパーツ(ステンレス製品)を磨いた物です。

ロッド、タイコ、ナットだけでなくスプリングも研磨しています。

ステンレスの弱点は細かい傷が付きやすい事。ですが一旦外して再研磨すれば元通りの輝きになる利点もあり末永く使えると言うのは高評価に値すると思います。

 

 

素地と研磨後ではこんなにも違います。

部品のエッジも立っていて光り方が滑らかで、平面は平滑で鏡に近い光り方です。

 

ボール盤にバフをセットして部品を押し付けて磨きますので体力はそれなりに消費します。

 

1個1個磨いて行く事は大変な労力・作業ですが、出来上がった暁にはその満足もひとしおです。

磨くのには「ボール盤」と呼ばれるドリルを使って穴開けする作業機械を使わないとなりません。

~~~ボルトやナットを使って「冶具」とし、布バフに「青棒(青砥)」と呼ばれる磨き粉を付けながらそこへ部材を押し付けて研磨していきます。

万力にハンドドリルを固定してボール盤の代わりにする方法もありますので、工夫次第でDIYでも研磨作業は可能になります。

ボルトナット類は再メッキよりもバフ仕上げをお勧めします。