カワサキ W3 自分で出来るタンク塗装 ~ 市販の缶スプレーでのペイント方法!マスキングの手順まで一挙公開 後期ブルー編

W3
W3 タンク・ペイント
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市販缶スプレーを使ってのペイント方法

後期ライン・ブルーでの塗装法です

650RS/W3は後期青も確認出来ているだけで4形態あります。
新車に載せられていた物2種と部品販売での2種です。

部品形態はベース色が各々グリーンに近いかなり明るいキャンディーブルーです。
今回は新車時に載せられていたベース色が濃い青紫の色に合わせてのペイント方法の解説です。

使用するスプレー

入手し易いのと使い勝手の良さもある「デイトナMCペインター」。
こちらの商品の中で最も近い色を選んでみました。

サフェーサー: X04(シルバー)

ベース色  :スズキ車用/パールディープブルー 1LF(純正カラーコード)

中色    :ホンダ車用/パールコーラルリーフブルー B-140P

ライン色  :ホンダ車用/ロスホワイト NH196

ライン色の白は純正でパールホワイトが使われている物もありましたが、
今回スタンダードなソリッドの白にしましたが、お好みでパールに変更しても良いかと思います。

また、実際に塗ってみての感想ですが、ベース色はガンマに使われているこれもソリッドな

「エクセレントブルー/16L」

濃い目の純正色に合わせたい場合はこちらを使っても良いと思いました。

実際の手順公開

缶スプレーの他用意する物のひとつに「曲線用マスキングテープ」があります。

曲線用マスキングテープは今回の様に特殊な幅の細いラインを塗るのにとても重要になりますので、通常使うマスキングテープ(15mm幅)の他に曲線用「2mm」と「5mm」幅を準備します。

曲線用には使い易さから『ニチバンクリアラインテープ』がお薦めです。
2mmと5mmの他にも数種類の幅がありますので用途に合わせてご用意下さい。

6mmラインを作りたい場合は3mm幅を2本並べて、7mmラインは2mmと5mmを並べたりとラインテープに設定の無い幅を塗りたい時はこうして複数の幅を組み合わせて作ります。

サンプルに塗り替え無しの純正色タンクがありましたのでこれを元に寸法取りをしています。
サンプルが無い場合は後程寸法画像を記載しますので参考にして下さい。


 

【下地処理】

前塗装はなるべく剥がさずに処理した方が後々の防錆上都合が良いのですが
すでに自家塗装されている様な物は思い切って全部剥がしましょう。
下処理ですので粗いペーパーで平らに慣らしていきます(240番位)。

パーツクリーナーで脱脂
サフェーサー塗り(裏表の2回に分けて)

コツは、薄く1回塗り、2~3回目は垂れない様に少し厚めにして合計で5~6回塗ること。
→ 日に当てて完全乾燥に1週間ほどかけましょう。

 


   【マスキング・ライン入れ】

サンプルタンクから取った立体定規(A4コピー用紙を使って型をとったものです)。
これをあててラインをとっていきます。

エンブレムの付くプレートを基準にしてラインの位置を測って型紙をあてがい
ラインテープの位置を決定していきます。


 

真横・前後から見ながら、ライン間の距離を一定に保ちながら線を引くと綺麗に決まります。
ライン取りが終わったら塗装用のマスキングを施します。

ライン塗装は線として塗らず、中色の下地色も兼ねていますので画像の様なマスキングになります。
(マスキングは全てテープで覆うのではなく、チラシなど紙を併用してマスキングします)


【ライン塗装 ①】

ここでも乾燥には日に当てて1週間ほど置きましょう。


【ベース色塗装】

白色が完全に乾燥したらベース色へと進みます。
中色部分を残してマスキングを剥がし、その後残した中色部分をマスキングします。

→ ここで「6mm白ライン」を残す作業をしておくと後半が楽になります。

5mmと2mmのテープを重ね貼りで6mm幅にし、上下中色部分を縁取る様にマスキング

そのマスキングが終わったらいよいよベース色の塗装になります。
厚く塗り重ねるので塗り始めの段階でムラになっても問題ありません。

塗り重なった部分が大きくなってきましたので、ここは乾燥に1週間以上費やして下さい。


【ライン塗装 ②】

中色部分のマスキングを剥がします。

白ライン幅は「6mm」ですので5mmと2mm幅のテープを重ね貼りして
純正同様の6mmラインを作ります。

「ベース色塗装」の欄で説明したようにそこですでに作業が終わっている場合は、
中色用のマスキングのみを剥がし、ベース色を覆うように再度マスキングをして中色塗装に進みます。


【中色塗装】

下地がシルバーよりも白の方が発色が良いので、白いラインを入れるのと一石二鳥です。
この薄いブルーは厚く塗ってもムラが目立つ色ですので上級者向けです(パールの特性)。

ここまでくると残すは最終「クリヤー色」を残す所です。
この後は乾燥に10日以上かけて最後の仕上げに臨みます。


【全マスキング除去】

クリヤーを塗る為、当然ですが全てのマスキングを取り除きます。

 

最後の仕上げ・クリヤー塗装は最難関

なんにせよ色がありませんから一体どれ位塗れているのか判別が難しく、
かと言って薄く塗る為に遠くから載せて行っても艶は出ません。

逆に言えばクリヤーがしっかり塗れる人は上手であると言う事です。


ここではクリヤーのみ缶スプレーは使わず専用2液ウレタン塗料を使いエアーガンで塗っています。
塗装の心得がある者でも缶スプレー・クリヤーの塗装は難しいです。

エアーガンでは塗料の粘度調整が可能な事にプラスして、エアー調整・塗料量、吹付幅調整
全て都合良く調整が出来ますので何事に於いても有利で、またそのおかげで各色の「段差」を無くす事も可能です。

今回紹介した塗装手順はメーカー手順とほぼ同じ行程です。
この流れで作業すると白ラインが一番低くなります(塗り重ねられていない為)。

吹き出し幅を小さくして、まずクリヤーを白ライン上に塗っていきます。
しばらく置いた後また同じようにライン上を目掛けて塗ると言う事を数回繰り返し
最後は全体を塗っていくと乾燥後段差は極めて少ない仕上がりとなります。

段差が無くなる位まで塗ると、その塗膜の厚さは既に30~50μ(ミクロン)まで到達します。通常のソリッドカラー・ワンコートで15~20μですのでクリヤーだけで倍以上厚い塗膜が形成されます。

完全乾燥後、2000番の耐水ペーパーにて水研ぎを行い段差を更に無くします。

クリヤーを厚く塗ると水研ぎでカラー層に到達し辛く有利

【完成】   周りの景色が綺麗に映り込むほど平滑で艶のある仕上がりです。

水研ぎ後、超微粒子コンパウンド(ここではWAKO’Sクイックワックスを使用)にて仕上げ。
缶スプレークリヤーを使う場合は垂れても水研ぎで修正出来るので、
思い切って厚く載せるように心がけて塗ると良いでしょう(数回に分けて厚く盛る)。

 


サンプルタンクとの比較

 

いずれも左側が純正色タンク

 

このカラーにかなり近い車体・外装にも
遭遇した経験がありますので、
さほど違和感は無いと思います。

 

各ペイントの使用個数

サフェーサー・シルバー    ・・・・・ 2本

ホワイト           ・・・・・ 1本

ベース色           ・・・・・ 4本

中色             ・・・・・ 1本

 

~~~これはサイドカバーとオイルタンクを含めた3点塗装での参考値です。

2液ウレタン・クリヤーのスプレーを使用した場合の目安は3~4本です

ダブルサン
ダブルサン

お次は「マルーン」の解説もよろしく!

 

こうしてみると塗料代だけで24000円近いですが、
楽しみの一環としてチャレンジしてみるのもどうでしょう。

上手に出来れば塗装依頼するよりも遥かに低価格で抑えられます~☆彡