W1S,W1SA,W3 キャブレターの同調
Wは左右のキャブレターがリンクしておらず独立していますので、良好な調子を保つには定期的に双方の連携・同調を合わせる事が重要になります。
実際の整備手順
マニュアルではまずアクセルホルダー側・ワイヤーの遊びを大きく取ってから、キャブレタートップスクリューを調整して左右のワイヤー遊びを「0」にすると書かれています。ピストンが2個同時に上下するのを確認したらばアイドルスクリューをいっぱいに締め込んだ状態から「4回転」戻すよう指示が出ています。
- アクセルワイヤーのホルダー側で遊びを大きく作る。
- 左右のアイドリングスクリューを全開放する(反時計回り)。
- トップキャップのロックナットを緩めスクリューを回して遊びをなくす(両側)。
- アクセルを開閉して左右のピストンが同時に上がっているかを確認。
- アイドルスクリューを締め込んで(時計回りに)ピストンに触れる位置を探して停止。
- 1回転締め込んだ後エンジンをかけアイドリングしていればエアスクリュー調整を行い、その後にアイドリングを微調整。
- アクセルホルダー側、ワイヤーアジャスターで遊びを調整し完了(ハンドルを左右に回して確認)。
① マニュアル通りにホルダー側にてアクセルワイヤーに遊びを大きく取ります。
② 次にマニュアルには記載されていませんが、アイドリングを調整するスクリューを左右共に「反時計回り」に回転させキャブレターピストンを最下位にしておきます。
③ キャブレター・トップキャップのロックナットを緩めます。
ワイヤーを引っ張って確認しながら遊びを「0」に、キャブレタートップとアクセルワイヤー分岐BOXまでの範囲の遊びを無くします。この作業は左右共に行います。
左右完了したらアクセルを開け、左右のピストンが同時に上がっているのかを確認。
最後にアイドリングスクリューを時計回りに締め込んでいき、キャブレターピストンにスクリューが当たる所(ここを0地点とします)まで回転させ、ピストンが触れたところから「1回転」締め込みます。大体の車両はこの位置で丁度良いアイドリング回転数です。
「0地点」調整の際クリーナー側からの目視に加えて、アクセルを開閉しながらアイドルスクリューを指で押さえます(暗く見難い場合はライトを使って見る事)。そうするとアクセル・オフの時(ピストンが下りて来た時)スクリューにピストンが触れるとスクリューにあてた指に振動として伝わってきますので、これを目安にピストンの0地点を探し出します。
~~~マニュアルではアイドリングスクリューを最後まで締め込んだ所から「4回転」戻した位置を仮セッティング位置とする・・・。と記載がありましたが、実際にはエンジンが止まってしまう程の位置でした。色々と検証した結果「0地点」から「1回転」締め込んだ所が一番良かったと言う結論に達し、エアスクリューに関しましては「半回転~3/4」の範囲で合わせられればほぼキャブレターは調子の良い方向にあると思います。
もっと詰めた同調をとりたいと言う場合には④のワイヤー調整後、ピストンの隙間を計測して狭い方のピストンをワイヤーにて引き上げて広い方の隙間に合わせて固定します。こうする事によってより細やかな左右バランスがとれます。