正式名称は「スターターケーブル」ですがチョークワイヤーの呼称で馴染んでいます
上手にワイヤーを通さないとたるんでしまったり折れ曲がったりと問題が発生します。
特に右側・2番キャブレター付近は注意が必要です。後程解説していますが、これは燃料コックとの干渉が関係しています。
650RS/W3のスターターケーブル
色々と試行錯誤されている方が多い様子ですのでここで正解ともいえる取り回し方法を公開
ワイヤーの取り回し方についてはチョークレバーから出たワイヤーが、フレーム首・ステム部分で左右どちらに向かうのか迷う所です。どちらも間違いではありませんが、左側からキャブレターへと向かう方が利点が多く自然な取り付けとなります。
各部ワイヤーへの注油にお薦めな「ベルハンマー」。
ワイヤー内への給油で驚く程動きがスムーズでクラッチワイヤーに特にお勧めです。
実際の取り付け方法
左右両方向からのアプローチを検証・解説しています
【右方向へのワイヤー取り回し】
《右側からの取り付け》
【左方向へのワイヤー取り回し】
《左側からの取り付け》
ワイヤーに余裕が出来ますので、取り付けにはたるませない様にちょっとしたコツが必要です。
【ワイヤーをたるませずに綺麗な取り回しにする方法】
画像の様にキャブレターからのケーブルホルダーが左右共に『内側』を向く様にセットします。
ワイヤーがタペットカバーの長ナットに干渉しない様に気を付け、アジャスト・ナットは上下緩めてホルダーの「下→上」の順にねじ込んで取り付けます。
ワイヤーの取り回しは独特で、左から来たケーブルを2本共にフレームの上下間・隙間から右方向に出し『S字』にくねらせて取り付けます(実際には画像よりもっと緩やかなカーブを描き、ワイヤーが折れ曲がる事はありません)。こうする事でケーブル左右の弛みが無い状態で、尚且つ左右均等の長さでのベストなセッティングが可能となります。
【ケーブルを内側に向ける理由】
右側(2番)は内側に向けないとフューエルコック(燃料コック)と干渉し、更にはフューエルタンクの縁にも当たってしまいます。
右側・2番はコックの取り付け角度を変えたうえでスターターケーブル・ホルダーを内側に向けてワイヤーが干渉しない様にタンクとコックから逃がしてあげます。
左側・1番ケーブルは角度を変えなくても問題ありませんが、右方面に逃がさないと『弛み』が大きく出てしまう為、前述の図の如く弛み分の距離を稼いでいる訳です。
整備後記
スターターケーブル・ホルダーの向きが重要な事がこの検証で御理解頂けたかと思います。