【X】 【XJR1200】
今や旧車の範疇です。そしてヤマハ四気筒最後の空冷車両です(実際には1200が1997年、1300が2017年に生産終了)。未だに多くのファンを持つこのXJR1200。今回はキャブレター脱着に焦点を当てて解説していきます。
XJR1200 キャブレター整備~キャブレター脱着
同型4気筒車両と比較しては外す瞬間にキャブレター各部の隙間が大きくとれ、作業も容易に行えるのでDIYでも十分に可能な整備です。
~冬場はドライヤー等でダクトを暖めると軟らかくなってキャブの脱着が容易になります
アクセルワイヤーは固定しているナットを緩めて引き側と戻し側をフリーにしておきます。スロットルポジションセンサーのカプラーもここで外しておきます。キャブレター前方を固定しているバンドを緩めてキャブレターボディを後方に引き出します。キャブレター後部に隙間が出来ているのでそのまますんなりとキャブ本体を横にスライドさせると綺麗に取り外す事が出来ます。キャブレターが抜き出せたらアクセルワイヤー(タイコ部分)を外します。チョークワイヤーもこの時点で外します。
XJR1200試乗・インプレッション
乗ってみて最初に感じる事はトルクが太くパワーも低い回転から盛り上がってくるのですぐに楽しくなってくると言う事。試乗車両はマフラーのみの小変更ですが3500回転辺りから力強さが体感出来、4000回転を過ぎると一気にパワーがのって高回転までグイグイと車体は加速されます。アクセルの開け始め・加速時、ヤマハ特有のクラッチのジャダー感があるのが唯一残念な所ですがそれをおいてもこの空冷最大排気量の体感加速はとても魅力的です。これは前後のサスペンションのメンテナンスが欠かせないと思う程の加速感は非常に優秀と感じた瞬間です。
相反して同系列のゼファー1100はもっさりとしていて抜けの良いマフラーを装着しても重く加速も弱い車両で、一重に遅く大排気量車とは思えないだるさを感じる車種です。
カスタムして往年の名車の様に仕上げるのもひとつの趣向ではありますが、乗って楽しめると言う重要部分でXJR1200に軍配が上がると思います。
XJR1200キャブレター供給部品について~ニードルバルブのOリング
ニードルバルブ(フロートバルブとも称されます)に使われている「Oリング」ですが残念ながらOリング単体での部品設定は無く、ニードルバルブアッシーでの供給となっています。アッシーですと金額もひとつで4633円(2019年8月現在)しますのでかなりの負担です。そのせいか今回のサンプル車両に於いても「縫い糸」が巻かれており、経年劣化で収縮した物を糸で隙間を埋めているかのような整備がなされていました。
***2019年8月現在パイロットスクリューセットは販売終了となっています***