自分で出来るホイールのフレ取り作業
ジャッキやスタンド等必要な道具は多々ありますが、ニップレンチひとつあれば調整は可能です
今回はホイールのリビルド作業の締めくくりとして解説しています。
フレ取り台は不必要 ??
スポークホイールの振れ取りに於いては、当然の事ながらしっかりとセンターを出さないといけないので、「振れ取り台」ではセンター位置が測れないので使いません。
作業前の車体をセッティング
メインスタンドが無い場合はレーシングスタンド等で車体を真っすぐに固定します
振れの取り方と順序
- 振れはまず「縦方向」から取ります。
- 縦方向が決まったら、センター位置を計算して左右の振れを修正していきます。
- 横方向の振れがとれたら再度縦ブレの確認をして完了です。
~~~縦横同時に進行していくのが基本ですが、実際の作業では縦→横の順で行う方が効率良く作業が進みます。
ニップルは締めると締め込んだ方向に向かって引き寄せられます
右を締めると右側に、左を締めると左側に寄って行き、左右締め込むとハブ中心に向かってリムが引っ張られます。この特性を使ってホイール(リム)のセンター出しが行えるのです
地面に「基準器」を置きホイールを回転させ、先端が触れた部分・範囲にマーカー(ここでは黄色いテープ)を貼りマーキング。
*「基準器」は特に固定しなくとも土台が重い物であれば何でも代用出来ます
~~~基準器先端が触れた部分はハブ中心から飛び出た状態(外寄り)ですのでその範囲をテープでマーキングします。そして触れていた範囲部分のニップルを締め込んでいきますが、固く締めきってもハブ中心側に寄り切らな場合は正反対の部分を緩めながら作業するとリム全体が動きやすくなります。
ニップル締め込む→中心に寄らない→反対側のニップルを緩める→外寄り側ニップルを再度締め込む
~~~この繰り返しでリムのセンターを出していきます。
~~~縦ブレ修正時点でニップルを固く締めてしまうと後の作業、「横ブレ」を取る際にニップルが締め込めずそれ以上引っ張れなくなってしまうので、余力を残すようにあまりきつく締めない様に心がけます。
【横方向 / 横振れの修正】
~~~「C」が算出出来たらホイールを回転させます。
その「C」と同じ・若しくは近い距離の部分があったらテープでマーキング。
地面に置いた基準器をそのマーカー部分にあて基点とします。
ホイールを回転させていき基準器先端がリムから離れたら基準器側のニップルを締め込み、反対にリムに触れたら基準器と反対側のニップルを締め込み調整していきます。
縦ブレと同様、締め込んでも寄らない場合は反対側のニップルを緩めます。ここで言う反対側とは、右を締めて寄らない場合で例えると、左側のニップルを意味します。
~~~横方向の振れが取れたら再度縦方向の振れを確認します。
振れている様子であれば再調整しますが、ここまでの過程でニップルを加減して締めているとこの最終調整時も微調整で済みますし調整もし易いです。ギュウギュウと締めなくとも全く問題ありませんので締め加減はほどほどに・・・。
ニップル用のトルクレンチもありますが、使ってみると意外にあっさりとトルクが掛かっている事に驚きます。それ位きつく締めないでも良いと言う事です。
~~~ここまでホイールのリビルドと合わせてレストア作業の一環として解説しました。