Z1/Z2 フロントフォークの内部をカートリッジタイプに~Z1サスペンションチューニング①

Z-1
Z1/Z2純正フォークをカートリッジ化
Z1/Z2 サスペンションチューニング~19インチ対応
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純正フォークの中身を入れ換えて最新モデルにする

この説明だけではあまりピンと来ないかもしれません。 「SC54」CB1300SFの純正カートリッジを使い、Z1/Z2純正の36mmフォークへと移植します。フォークをアッセンブリー(ASSY)で付け替えるのではなく、純正フォーク内部にダンパー機構・最新カートリッジを備えるのです。

こうすることによってダンパーとスプリングの調整が出来る機構もそのまま受け継いでの装備となります。

様々な部品を製作&加工して行う作業ですがノウハウを持って1からの模索で作り上げていきます
見た目には「純正」ですので取り換えてる感はありませんがその恩恵は大きく、先にブレーキチューンを行った車両であればサポートの新設はありませんのでそこでコストダウンも図れます。
費用も社外製36mmフォーク購入より若干の上乗せ程度で性能面はそれを超えます。
この方法であればフルノーマル車両でも外観を変えずにサスペンションのチューニングが行え、走行性能は遥かに向上し更に乗って楽しいオートバイに変身する事でしょう。
同時にリヤサスペンションも外観を変える事なく内部変更での性能向上を行うとバランスがとれて最高のセットアップが可能になります。

~~~唯一外観でノーマルと異なる部分。それはこのトップキャップ。調整機構がありますので視覚的にもインパクトがあります。

トップキャップはCB1300SF用ではなくCBR600RRの部品を使って色ををブルーにしています

市街地から峠道迄のインプレッション

ストロークしている感じが少ないのでまずしっかりと動いているかが判別し難いです。細かい段差はよく拾いますのでギャップを乗り越える瞬間は若干不安定です。ここは今後スプリングレートを落としたフォークスプリングにて対処する方向です。今後の性能向上報告にご期待ください。
「伊豆スカイライン~箱根ターンパイク」をメインに試乗検証
結果「普通に乗れる」と言うごく当たり前の事ですがはっきりとした事実となって表れました。
まずタイヤの接地感が分かり易くコーナー内でタイヤがしっかりと路面に押さえつけられている様子が感じ取れます。そしてそれが大きな安心感に繋がり、旋回性能が良い方向に大きく変わっているのが分かります。アクセルオンオフの挙動が穏やかで設計の古い車両でもサスペンションが補ってくれますので、ラフな操作でも車体の動きは安定、最新モデル並みにバイク任せでしっかりと走ります。
流れの速い国道での車線変更では現行車両並みの軽いフットワークで、ノーマルの「よっこいしょ感」なくひらひら切り返しが出来る軽快な走りです。
ここで特筆したいのはタイヤサイズは幅の変更のみでインチは変えず、フロント19インチ・リヤ18インチのままでと言う事です。

サスペンション性能向上による相乗効果

まず乗ってすぐに感じる事は「ブレーキが利く」ことです。
特に昔ながらのバックステップを付けているとリヤブレーキはディスクとは言え利きは相当悪いものになりますが、それがしっかりとしたブレーキに交換したかの如く良く利く様になります。
足が良くなると路面を常に良い状態で捉え続けますので当然の事ながらブレーキは良く利きます

 


内部構造を公開

 

インナーチューブにはノーマルのクリアランスで収まるような「スライドメタル」を装備させてストロークの適正化と剛性を持たせています(ボトムケース内をボーリング出来れば完全なスライドメタル化になります)。ケース内のボーリングは非常に高度な作業で費用も掛かりますが、その性能差は大きくはありませんのでこの手法を用いて金額のバランスを取っています。

インナーは細くて肉厚ですのでカートリッジを入れると「エアバネ」の容量が減少します

エアバネ含め、内部がカートリッジによって狭くなりますので油面などセットアップが難しく、このセットに辿り着く迄の道のりは長かったです。

試乗して各部を煮詰めて行く作業にも製作以上に時間をかけていますが、ようやくそのおかげで完成の域まで達しようとしています。今後メインスプリングのレートを落として再セットアップをし、低速での突き上げが解消されれば完成です。



内部構造の変更方法について

チューニングメニューは2通り

  1. カートリッジ+スライドメタル+ガイドブッシュ
  2. バルブダンパーユニット+スライドメタル+ガイドブッシュ

1は本記事で解説したもので2はノーマルフォーク内にバルブダンパーを付け加えて、オイル通路を増やしてダンパー効果を高めるもの。

セットアップの幅を1が10段階とすると2では5~6段階くらいでしょうか。それでも「2」のメニューでもメタルとブッシュの効果が大きく、少しバンクさせた状態でギャップを越えた時の「カチャン」と言う嫌な音(ボトムケース内壁とインナーチューブ表面がぶつかる音)は無くなりダンパーが利いたフォークがギャップをスムーズにいなします。

推奨の19インチカスタムに於いてはこのサスチューニングと19インチラジアルタイヤの組み合わせで相当な幅を持たせた自由度の高い車両に変貌させることが可能です。