生産国が海外の車両が多く新車なのに組み込み違いがあります
中国生産車両に多く見られる組み間違い。すぐに問題は発生しませんが距離を重ねると壊れます。
組み間違いの多い部分2点
- ウエイトローラー
- クラッチウエイトのベースプレートを固定する大型ナット
この部分は高確率で間違えて組まれています。
分解整備時に確認したい部分2点
【ウエイトローラー】
ストッパーが正しい向きに無いとウエイトローラーの消耗も早く、酷いものだとプーリー側が削れてローラーが噛み込んで変速不能にもなりますので要注意・要確認の事。
【クラッチウエイト部分のナット】
ドリブンフェイスの頁で解説するとクラッチウエイト・ベースプレートを固定する
「15番」のナット。
ナットの角がとれてつるんとした丸い表面が「裏」
エッジが立ち表面が平らな方が「表」・・・、となります。
一見反対にも思えてしまいますがメーカーの整備講習会でもこの部分は間違いが多いようで
しっかりと解説されています。
この大きいサイズのナットに対応した工具はこちらから
プーリーへの給油
実はプーリーへも注油は必要です
メンテナンスフリーと思われがちなプーリーですが、ベルト交換時に一緒に分解給油すると作動性が上がりスムーズな動力伝達となります。
パーツリストで解説すると先のナットを外し、スプリングと「13番」のスリーブを抜いて
「10番」と「11番」のピンを3箇所取るとフェイス部分は左右に分割出来ます。
必要があれば中に使われるOリングやオイルシールは交換し、古いグリスを拭き取って新しい物と入れ換えます。グリスは「モリブデン系」で良いでしょう。センターシャフト部分とスライドピンの接触する部分にしっかりとグリスを塗り、10・11番ピンにもグリスを塗布して組み込みます。
内側・ベアリング部分にも忘れずグリスを注入します。
PCXに多いのがこの内部ベアリングの不良。殆どの車両で異音が出ていますが、原因はこの中に使われるベアリングの不良です(走行での異常はでませんが)。エンジンをかけずに押して「ごおぉー」と音がする車両はこの中に使われているベアリングを交換すると直ります。
メーカー・排気量問わず、この部分は一度分解整備するのが望ましいです