SR400/500 スイングアーム・ピボット
ひとつはスイングアーム付け根・ピボット部分への無給油から起こるガタツキ。これは中のニードルベアリングが油切れを起こし錆が発生、損傷すると言うもの。新車時からたっぷりとグリスが封入されていればまだしも、この部分はどのメーカーも湿った程度の量しか給油されていません。こまめにスイングアーム・ピボットシャフト中心に設けられた左右の6mmボルトを外してグリスアップしないと左側・ドライブチェーン側のベアリングは中でバラバラになってスイングアームに大きなガタが発生します。
~~~過去の事例ではピボットシャフトとスイングアーム内のスリーブがガッチリと錆びて固定されてしまい、最終的にスイングアームを切って取り外した件がありました。
早目の分解整備若しくはグリスアップをお勧めします
リヤハブ・ドラムの摩耗限界
~~~2点目の不具合箇所
それはリヤブレーキの調整が25000km程度で不可能になる事。ブレーキライニングを交換してもハブ側の摩耗が激しく調整限界に達してしまいます。更にドラムの一部に硬い部分があるのかブレーキシューに大きな段差が見られるのもこのSRに多く見られる現象です。何にせよ3万キロ程度でリヤハブ交換になるのが特徴で、これを回避するには社外品、柔らかめのブレーキライニングを使うのが良いかと思われます。ブレーキアームのギザギザ・スプラインをヒトコマずらして対処するのも当面は良いと思います。
ドライブチェーンについての整備補足情報
整備補足~ドライブチェーンの調整方法
どんな車両でも乗車状態・リヤサスペンションが縮んだ状態で合わせるのが基本です。なぜかと言うとオートバイに乗っている時は常にサスペンションは動いており、サスが縮まりスイングアームが上方に動く時チェーンは最大に引っ張られている状態になります。この時適正な遊び・弛みがないとスイングアームの動きは妨げられサスペンションも限られた運動量しか発揮出来ません。50ccミッション車にも多く見られますが、この「SR」は特に空車・乗車での差が大きいので要注意です。新車時ですでに乗車するとチェーンはパンパンに張ってしまう状況ですので納車時に確認・見極めて、張っている様子であれば販売店にその旨伝え調整してもらう事をお勧めします。そのまま乗るとチェーンとスプロケット(前後の歯車)に悪影響を及ぼします。