W1S,W1SA,W3 オイルパイプ周辺のオイル漏れ修理~ロッカーアーム・シャフトの「Oリング」交換

W3
W1S,W1SA,W3 ヘッドからのオイル漏れ
W1S,W1SA,W3に見られるヘッドカバーのオイル漏れ修理方法

ヘッドカバーの合わせ面・ガスケットの抜けでも当然オイル漏れは起こりますが、「T字」オイルパイプ周辺からのオイル漏れはロッカーアーム・シャフトのOリングが劣化して起こる事が多いです。

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ヘッドカバーを外さずにOリングを交換する

ヘッドカバーを外しての作業が一番確実ですがロッカーアームにプッシュロッドを嵌め込んだり、タペットの再調整などとても大掛かりな事になってしまいます。ですのでここではもっと簡単・手軽に行える作業を解説していきます。
手軽な作業とは言ってもそれは「両刃の剣」。間違うと最終的にはヘッドカバ-を外さないとならなくなります。ですので簡単とは言え慎重な作業を心掛けます。

ヘッドカバーを外さない場合の作業手順

  1. 「T字パイプ」固定のバンジョーボルトを2本外す。
  2. パイプ下部・ナットを緩めてオイルパイプを取り外す。
  3. ヘッドカバー左側の「17mm」ナットを外す(W3は17mm、W1S/W1SAは14mm)。
  4. この状態でフリーになったロッカーアームシャフトを左側から少しづつ叩いて、Oリングが完全に現れるまで押し出す。
  5. ピック(工具)でOリングを取り外し新しいものと交換する。
  6. 右側からゆっくり、そして軽くロッカーアームシャフトを叩いて元の位置まで押し込む。
  7. 先に取り外した17mm・14mmの袋ナットを取り付ける(ガスケットは新品に)。
  8. オイルパイプを取り付ける。バンジョーボルトのガスケットは新しい物に交換する。

~~~以上が作業の大まかな流れです。

画像を交えての詳細な解説

ヘッドカバー左側の袋ナットを外した画像です。

このボルト、ロッカーアームシャフトをそっと軽く叩いて反対側・Oリングが現れるまで押し出します。

この位置までロッカーアームシャフトを押し出します。

ギリギリの位置でOリングが外せる所まで突き出します。

~~~この作業を吸気側・排気側の2本ともに行います。 リングは「ピックツール」を使って取り外すのが一番簡単・確実な方法です。

なぜゆっくりと慎重に「ロッカーアームシャフト」を叩くのかと言うと、強く叩くとその振動で中のロッカーアーム横に入っている「スプリング」がずれてしまい、ロッカーアームシャフトの段差・溝にスプリングの線径が嵌ってしまうとシャフトが最後まで入らないばかりか、先端のナットを締め付ける事によってスプリングが噛み込んでしまいます。そうなってしまうとヘッドカバーを分解して挿入し直さないとなりませんのでゆっくりと慎重に叩き出さないとなりません。

スプリングがずれてシャフトが押し込めない場合の修正方法】

シャフト挿入時にスプリングが噛み込んでしまいシャフトが最後まで押し込めなくなった場合の処置・・・ヘッドカバーを外す前に「タペットカバー」を開けて細いマイナスドライバーとピックツールを使って線径を移動させて修正します。この作業で殆どは解消されますがこの方法で直せない場合はヘッド分解となります。

 


 

ロッカーアームシャフトの正規の位置は画像の通りで飛び出し量は僅かです。

 

左右で飛び出し量が違うとオイルパイプが歪んでそこからのオイル漏れの懸念も出てきますので要注意です。

~~~Oリングには潤滑剤を塗ってシャフト挿入時に噛み込まないように配慮します。

 

【純正部品番号】
Oリング           :「670B-2014
バンジョーボルト・ガスケット:「92022-154