Z1/Z2-W3 旧車・ディスクブレーキの引き摺り具合を確認

W3
Z1/Z2,W3のディスクブレーキについて解説

 

Z1/Z2-W3 フロントディスクブレーキの引き摺り

押して重くはないけれど、浮かせて回転させるとあまり軽くは回らない・・・。
実際にどの程度なのか分からない・・・。

~~~と言う問い合わせを頂きましたので、整備済み車両を使っての解説です。


 

W3のディスクブレーキ
フロントシングルディスクのZ1/Z2に対してW3はダブルディスクが奢られています
既に周知され始めているお話ですが、W3がなぜダブルディスクなのか~?
それは車名の「W」、そう名称ダブルにかけてダブルディスクにしたと言うメーカー公表の逸話があります。

 


 

  【Z1/Z2】

  【W3】

ZもWも同じ型押しタイプのキャリパーがセットされています。
同形状ではありますがW3のキャリパー本体とブレーキピストンはZよりも一回り小さい作りです。唯一共通なのはブレーキピストンに付くダストシールのみです。
シャフトの径も違いますのでここに入るOリングの部品番号も異なります。

 

Zと比較してW3はキャリパーが2つの為、引き摺り度合いはやや大きいです。
それでも車体を押して重くなる程ではありません。

 


 

 

実際の引き摺り具合 ~W3編

キャリパーOH(ピストン正常、シール類全交換、パット新品・未走行)のW3がサンプルです


 

   【キャリパー取り外し~抵抗無し】


~~~ベアリングも新品で馴染んでいないにも関わらず、スムーズに回転しています

 

 

    【キャリパー取り付け~抵抗有り】


~~~回転させる手には重さを感じ、キャリパーが無い状態よりも強く回さないとなりません

 

 

動画で見ると「かなり引き摺っているのでは?」と思われる方も多いと思いますが、この状態で全く問題なく車検・検査に合格します。ブレーキテスターは敏感に反応しますが、軽い引き摺り抵抗とブレーキが微妙にかかった状態をしっかりと判別します。

 


 

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こうして見ていきますとシングルディスクとダブルディスク、どちらでも旧車のキャリパーは様々な要因で回転は重くなる見解です。
ベアリングのグリスを軟らかい物に入れ替えると、やや良くはなるものの根本解決には至りません。重量のあるブレーキピストンやシール幅が大きく抵抗になっているピストンシールなど、現行車の部品と比べるとどれも重量級です。
ダストシールを省いた形状の軽量なピストンが製作出来ればかなりの改善になると思いますが、その反面メンテナンス頻度が上がってしまいます。精度の悪いサポート内に収まるパットの方までは修正出来ませんので、古いオートバイの味わいのひとつとして(本当の引き摺りは「×」)考えられればと思います。

参考動画・Z1のダブルディスク偏です。ディスクローターは新品です。