Z900RS ~コンドルハンドルで新型「Z」を旧型・当時風に

セットアップ&セッティング
Z900RSのハンドル交換を解説

 

Z900RSにコンドル・ハンドルを取り付け

標準でZ900RSは「テーパーハンドル」が装備されていますが、社外品には同形のコンドルハンドルの設定があります。
今回は低く絞られたハンドルの取り付けと各部の調整方法まで解説しています。


 

新型「Z」を当時風ハンドルでポジション変更

最新型・2025年式のZ900RSのハンドル交換です

 

Z2の時代からの定番ハンドルメーカー
「ハリケーン」から懐かしいスタイルの
コンドルが販売されています。
Z900RSにボルトオンで、もちろんテーパータイプ。スイッチボックス用の穴も開いていますので作業もスムーズです。

~~~ハンドルは「ハリケーン」、ハンドルブラケットは「BEET」の組み合わせです

    【純正ハンドルの取り外し】

まずバックミラーから、そしてグリップエンドを外します。
クラッチワイヤーは外さなくても良いのですが、アジャスターを緩めて遊びを多くしておきます。
アクセルワイヤーも同様にそのままの状態で、ハンドルを外す時にスロットルパイプを抜く様にします。


 

クラッチレバーホルダー、マスターシリンダー(ホース外さず)、ハンドルスイッチ
そして最後にアクセルホルダーを外してからハンドルを取り去ります。

 

新車時スロットルパイプ周辺にグリスの類は塗られていません。
これは全メーカー同様ですが、一部ホンダではアクセルワイヤーのタイコ部分にはグリスが塗布されています。ハンドル交換と同時に潤滑剤にてしっかりと整備しておくのがベストです。

 

以前はファットバーと呼ばれていましたが今はテーパーハンドルと呼称

 

 


 

ファットバー・テーパーハンドル

1990年代後半よりオフロード系で装備され始めたハンドルです

 

    【テーパーハンドルへの換装】

 

まずはハンドルポストにハンドルを充てて
角度・左右位置を確認します。

画像にはありませんが、クランプをかるく締め付けて作業するとスムーズです。

 


 

     【同時進行の給油作業】

ハンドルのみならず、ワイヤー部分にも注油はされていません。
スロットルパイプ部分は潤滑剤がすでに抵抗になると言われ、無給油が大前提となっています。
しかし、ここもしかるべき潤滑油を使えば無給油状態よりも遥かに良好となる傾向を強く感じますので、私は必ずワイヤー内とハンドル・スロットルパイプには注油する様にしています。

 


 

ハンドル周辺への注油方法

~多すぎると「抵抗」、少なければ「潤滑」に~

 


【操作系への給油方法】

パイプ側には「モリブデングリス」を薄く塗って、ワコーズのラスペネ(業務用)で溶いて
柔らかい皮膜を作ります。パイプ側には極圧潤滑剤のグリスタイプを塗布します。
どちらもそうですが、薄く塗り伸ばすのがコツです。
この時一緒にワイヤー内へも注油を済ませておきます(ラスペネ・業務用)。
→ホルダー内に溜める様にして、高い位置でしばらく持っていると自由落下し流れて行きます

 

極圧・グリスタイプのスプレーも1本あると非常に便利です

 


アクセルホルダーをハンドルに通したら、ワイヤー・タイコ部分にも注油

 


 

アクセルを開けた状態にして、ワイヤーの「引き側」へもグリスを塗布します。

 

 


 

ハンドル位置の設定方法

ハリケーンのハンドルはよく考えられています

「HURRICANE」のロゴステッカーをよく見ると、下部に「▽」の表示があります。
ハンドルセンターが分かる様にマーク付きのステッカーが貼られているのです。

 

 

その他、位置決め用の穴も開いています。最近の車種専用品はとても作業がし易いです。

 


 


    【ハンドルセンターを固定】

ハンドルポスト幅から半分の長さを探し、目印の「▽」から測って中心位置を合わせます。
好みのハンドル角度を合わせるまで仮止めし、中心が狂わない様にマスキングテープを貼っておきます。

マーキング用テープは、ポスト下側の端面に合わせて貼ると良いでしょう。

 

 

今回の様にハンドルクランプを替える場合には、取り付け後に再度中心位置を再確認します。

 


 

ハンドル交換後の微調整

乗る為の重要な作業~ワイヤーと配線の取り回し

 

~~~この作業を怠ると、ワイヤーの引きが重くなったり引っ張られたりと危険です!

 


          【各ワイヤーと配線の取り回し変更】

このままではクラッチワイヤーが重く硬いので、ワイヤーガイドを広げてワイヤーの通る場所を移動して余裕を持たせます。

 


 

アールの付いたクラッチワイヤーはメーターに干渉しますので、レバー側の遊びを無くし、レリーズ側で遊びの調整を作ります。


 

アクセルワイヤーも取り外す事なく通り道の変更で対処可能です。
ハンドルスイッチから出ている配線も同様に、外さずに位置変更で難なく収まります。

 

 


 

 

ハンドルをゆっくりと左右に動かし、各部の干渉が無い事を確認したらハンドルの本締めをして全ての作業は完了です。

特に今回の様にハンドルを低くする場合には、アクセルワイヤー下部とタンクが当たってしまう事もありますので、タンクに毛布を被せたりと下準備が大事です。
過去にZ1やローソンレプリカのハンドル交換で、ペイントしたばかりのタンクを傷付けてしまった方達を多く見てきた経験からタンクへの養生はとても重要です。