ミクニTMRと並んで不動の人気商品 京浜「FCR」
セッティングの近道と称してこのFCRについて解説しています。
セッティングの近道
スロージェットとエアスクリュー開度の関係
まず、FCR33でのスロージェットは排気量が上がっていても殆どは「42~45番」で合います(Z1用標準は「38番」)。
この番手でエアスクリュー開度が1回転~1回転半あたりで落ち着きます。
全閉から1/4回転づつ開けていき(反時計回りに回す)、一番回転の上がる所を探します(それ以上開けても変わらない所を見つける作業です)。ここで重要なのは1/4回転回したら10秒ほどその状態で待つこと。徐々に回転が上昇してきますのでそれまで待っていましょう。
1/2回転戻した所で一番回転が上がった場合は、スロージェットの番手をワンサイズ大きくしてから先と同じ作業を行って様子を見ます。
逆に3回転戻した所で一番回転が高くなる時はジェットのサイズをワンサイズ小さくします。
こうして1-1/2回転~2-1/2回転戻しの範囲に入る様にスロージェットを調整します(合うまで必ず番手はワンサイズづつ変更)。
メーカー(京浜)からは半回転~3回転程の範囲で良しとされていますが、経験上1回転よりも2回転戻しで合うようジェットを合わせた方が1回転戻しよりフィーリング及び、回転の繋がりも良くなります。ですのでやはりエアスクリューは「1回転半~2回転半」の範囲内で合わせるのが理想的と言えそうです。
エアスクリューは最終的に一番回転の上がった所から、「1/2」回転締め込むとマニュアルにはありますが必ずしもそうとは言い切れず「1/4回転」であったり、または締め込む事無くで良い場合もありますのでそこは実走で確認します(何も変わらなければ「1/4回転」の締め込みで良い)。
ジェットニードル径について
次に、ジェットニードル軸径の合否確認をします。~~~Z1用標準「FTM」
ざっくりと一番分かり易い判別方法としては、エンジンが完全に暖まった状態で2000回転をキープし、そこからこれ以上ない程のスピードでアクセルを全開(もちろん空吹かしです)。
これで回転がついてこないでストールする場合はガスが薄いです。軸径を現在の物よりワンサイズ細くして燃料を増やしましょう。
その反対に回転がすんなりとついてくる場合はガスが濃い状態です、ワンサイズ軸径を太くして燃料を少し絞りましょう。
アクセルをひねって「ワンっ!」とうなり、その後一瞬回転が落ち込んだ後に「ワァーン」と回転が上昇するのであればガスは良好、軸径は合っています(イメージ的に「ワンッワァーン」という感じ)。
試乗して回転上昇途中に谷間、いわゆる回転の落ち込みや引っかかりがある場合はジェットニードルのクリップ位置を変更して対処しましょう。過去の事例から見ると、3千回転前後で引っかかりがあった場合はクリップを今より上にしてニードル位置を下げる事によって谷間が消えます。
メインジェットは殆どの場合標準番手(125番)で問題ありません。中間域後半からメインジェットは効いてきますので、レスポンス重視で街乗りに特化したセッティングにするのであれば「122番」あたりに落ち着くはずです。
プラグの「焼け」で見るセッティングの状態
今も昔も変わらないセッティングの確認方法
実際にほんの20km程度の走行でも黒く乾いた色をしています。
きちっとセッティングが合っていると数十キロの走行でプラグに色は付きませんし、碍子(ガイシ)はほぼ白いままです。
ミクニとケイヒンのキャブレター
メーカーによって部品呼称や構造が違います
特に注意が必要な部分は「エアスクリュー開度」。
ミクニは締め込むと薄くなり、反対にケイヒンは締め込むと濃くなります。
この違いは、ミクニは「混合気量」の調節なので締め込むイコール、弁が閉じられてガスが薄くなり
ケイヒンは「エア・空気量」の調節なので締め込むイコール、エアが少なくガスが濃い状態になると言う理由からの違いなのです。
【FCRとTMRの基本データ】
【ボア径】
ケイヒン :奇数
ミクニ :偶数
【呼び名】
ケイヒン :スロー
ミクニ :パイロット
【リンク設定】
ケイヒン :ロースロからハイスロへ (バリアブル方式)
ミクニ :ダイレクト
【スロットルバルブ ベアリング方式】
ケイヒン :ベアリング3個+1個ベアリング無し(ガタの吸収目的)の計4個のローラー
ボディ側が消耗
ミクニ :レールにベアリング配置
ボディは痛まずベアリングが消耗