W1-W3 コンタクトブレーカー・ベースの適正・適切な取り付け方法

W3
W1-W3 ポイント調整の便利アイテム

 

W1~W3  ポイント調整を完調にする新定番~ポイントベースの刷新

この方法にするだけで調整が楽に! 最新の取り付け・固定方法の解説です


 

Wのポイント調整は慣れとコツが必要
点火時期調整・点火タイミングとも言われますが、これは何度経験しても大変な作業です。
目・腰・足、それこそ体全体を使った、と言うよりも体を張った作業です。
ポイントとコンタクトブレーカー。どちらも呼称は違いますが同じ物です。
パーツリストでは「コンタクトブレーカー」と書き、マニュアルでは「ポイント」と記載。
***当記事では以下「ポイント」の呼称で解説を進めていきます***

   【ポイントギャップと点火タイミング調整】

多く見られる作業風景がこれです。
プラグを外して、タイミングホールを解放。
そしてキックペダルを手で「コンコン」と叩いていき、クランクシャフトの合いマークを見えるまで待つ。
確かに間違いではありませんが腰への負担を軽くする為に以下の方法がベストです。


 

   【体への負担が少ない体勢で調整】

プラグとタイミングホールを解放し、メインスタンドを立てます。
そしてギヤを入れて右手でホイールを進行方向へと回転させます。
すると簡単にクランクが回せて合いマークがスムーズに見えてきます。

ここでのコツはギヤを「1速」ではなく「2速」に入れる事で、後輪をたくさん回さずとも合いマークがすぐに見えてきます。
(この時もホイールを小刻みに「コンコン」と少しづつ動かす様にします)

***キック使用時と違い、行き過ぎた時はホイールを逆回転させればOKです***


 

ポイント(コンタクトブレーカー)周辺・純正部品の取り付け外見

ポイントベース固定用の「なべ小ネジ」はパーツリストでのサイズは「5×8」になっています。

パーツリストでの部品番号は『14』、個数は「2」です。

なべ小ネジとは、Wのエンジンカバー等に使われている丸頭の(+)ドライバーで回すネジです。
「5×8」とはネジ径が5mm、首下からの長さが8mmと言う意味です。

ポイントベースは調整時にケース内で回転する構造になっています。
その為ベース裏側を見ると3カ所に「凸」部分が確認出来ます。

    【ポイントベースの裏側】

 

ケース側と擦れた跡が残っているのが分かります。


 

~~~この「凸」部分がケース側の凹み部分に合わさっています

 

残念ながら凸凹が合わさる構造でも僅かな間隙があります。
隙間があると当然縦方向にも動いてしまいますので、ポイント隙間を合わせても点火時期調整でベースを回転させると、そのせいでクリアランスが変わってしまうのです。

 


 

固定用ビスを変更するだけの簡単作業で同軸上で回転可能

今まで苦労して良い位置に合わせてきましたが、この方法であれば時短でベスト調整

 

この様に「なべ小ネジ」の代りに
「皿ビス」を使うのです。

画像内・左側が「なべ小ネジ」、右側が「皿ビス」です。
皿ビスは首下が『テーパー』形状になってるのが特徴です。

 


 

首下がテーパー形状の為、このおかげでポイントベース穴の中心で固定する事が出来ます。

こうする事でポイントベースは同軸線上で回転する様になり、ポイントギャップが変わらずに点火時期の調整が行えると言う大きなメリットが生まれます。

 


 

 

ワッシャーは使用しませんので、ビスが緩まない様にネジ部には必ずネジロック剤を塗布しておきます。
(注)ワッシャーを入れてしまうと意味をなさないので絶対に使わない事。

小ネジと違い皿ビスのサイズ・長さの表記は、首下からではなく全長になりますので要注意。 『M5×10』が丁度良いサイズとなります。

 


 

調整時に使うドライバーはロングタイプがお勧めです

長い物を使う事でドライバーのグリップ部分がチェーンカバーと干渉しないので、確実な緩め・締め付けが行えます。
私は狭い所でも使用しますので「KTC」のソフトグリップタイプを愛用しています。
様々なメーカーより販売されていますので、御自身の使用目的に合致する物を1本揃えておくと色々な場面で重宝します。

ここで使っているドライバーサイズは「2番」です

 

ドライバーはネジを傷めない様にメーカー品を推奨します

 


 

この方法でW3をセットアップ

見た目に何も変わりませんが、調整時にははっきりとその効果が体感出来ます。

ガバナー修正と合わせてこの方法でポイントを調整すると言う事なしです。
(2ポイントの場合ガバナーがしっかりするる事で、左右のタイミングがきっちりと合います)

実際に調整してみると分かりますが、点火時期調整の為にベースを動かしてみてもポイントギャップは殆ど変わりません。これは作業をするにあたってとても嬉しい事です。