Z1/Z2-W3 ディスクローターのレストア方法

W3
構成部品のレストア~ディスクローター編

 

腐食したディスクローターの再生方法を解説 ~Z1/Z2・W3以外にも対応

ディスクローターはステンレス製ですが、経年劣化で腐食し錆も多く発生します。
ここでは錆落としとブラスト、そして研磨~リペイントまでの工程を解説しています。
Z1/Z2-W3のみならず、殆どの旧車ディスクで参考になると思います。


 

構成部品のレストアは下地処理が肝心

まず最初に洗浄、そして「錆落とし」から始めます

 

脱脂・洗浄後の錆落としは、漬け込み式でも即時分解式のどちらでも大丈夫です。
今回は業務用の即時分解タイプにて錆を除去していますが、地肌の変色に気を使わないとなりませんので、一般的には漬け込みタイプが使い易いと思います。

    【錆が酷い場合の対処法】

パットの当たり面を残して(マスキングして)、ガラスビーズ・120番にてインナー周りをブラスト処理します。
アルミナでも良いのですが後に磨くことを踏まえて、リベットを粗したくないので艶のあるガラスビーズにしています。

 

最近は家庭用・100Vで使える強力・容量大のコンプレッサーが手頃な価格で購入可能です。それと合わせてブラスト機器も同様に身近な存在です。
場所が確保出来、作業も多いのでありましたらこれらの導入も良いかもしれません。

 

 


 

ガラスビーズの後、バフ研磨にてリベットを仕上げ

ガラスビーズ仕上げのみでは輝きに限界がありますので、「バフ研磨」にて艶をだします


    【バフ研磨は布バフを使用】

仕上げ前のリベットはあまり艶がありませんが、布バフと青棒を使ってリベット周辺含めて磨いていきます。

 


 

リベットと共に段差部分も磨くとこの様な綺麗な肌に変わります。
ここまで終われば残すはインナーのリペイントです。
塗装はさほど難しくはありませんが、マスキングがとても重要で手間もかかります。

 

バフのコツは強く押し当てないこと
アルミだけでなくステンレスも同様に、表面を荒らさないように気を付けます。

 


 

インナーのリペイント

「曲線用」のマスキングテープを使うと作業性が向上します

 

ペイント部分の「際」に曲線用テープを使い、そこ以外は通常のマスキングテープにて養生しています(画像内の「緑色」部分が曲線用になります)。

マスキングが完了したらいよいよ塗装に入ります。
ここでは7分艶有りの2液ウレタン塗装としますが、使い切り・2液の缶スプレーでも充分強度はあります。1本あればディスク2枚しっかりと塗れますのでお勧めです。
(艶も艶有り~半艶、お好みで)

 

パーツクリーナーで脱脂後、プライマー処理をすると塗膜が剝がれにくくなります

 


 

塗装の入りにくい部分は「筆」を使う

今回のディスクローターはスプレーの入りにくい部分はありませんが、入り組んだ部品の塗装では先に筆を使って色を入れておきます

 

エアーガンを使うと吹き出し量、エアー調整、パターンなどの微調整が可能です。
これを使いこなせると塗装の範囲が広がります。

スプレーが苦手だという方は、穴の開いた部分の内側側面を先に筆塗りしておくと塗残しの心配がなくなります。

 


 

最後の難関はマスキングテープの剝がし方

72時間の乾燥時間を経てもテープを剝がした時に塗膜まで取れてしまう事があります


    【テープ剥がし・作業手順の解説】

カッターで中心側・境目に切り込みを入れます。

 


 

切り込みを入れたら、段差・側面よりカッターの刃・先端部を使ってテープを削ぐ様な感覚で剥がしていきます。

 


 

こうする事によって、塗装が剥がれないばかりか断面がシャープに仕上がります。

 

 


 

【カッターの使い方・テープの剥がし方を動画で見ると・・・】

容量が大きいので3回に分けてアップロードしています
↓ ↓ ↓               ↓ ↓ ↓

 

 

 


 

ディスクローターのレストア ~仕上げ

はみ出してしまった部分があればカッターで削り、不足部分はタッチアップにて仕上げて完成となります。

 

メディア使い捨て・室外作業用のブラスト機も便利です