Z1/Z2からW1,W3まで ドライブチェーン調整~正規の整備方法をお知らせ

W3 ~整備&レストア
Z1,Z2 ドライブチェーンの正規調整方法
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誰もが知らないドライブチェーンの調整方法~構造から導き出される整備法

~~~チェーンの「遊び」について、バイクメーカーもチェーンメーカーも「25mm~35mm」位にと車種問わずそう推し進めています。本当にそれで良いのでしょうか~?

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本来バイクによってチェーンの「遊び」は変わってくるもの

サスペンションのストロークが大きいオフロードバイクはチェーンの遊びはかなり多めです。チェーンガイドがないと外れてしまう位に大きくとられています。これはサスのストロークが多いと当然スイングアームも大きく動き、空車と乗車での差は非常に大きなものになります。これを空車の状態でメーカー指定の数値に合わせた場合、乗車してサスが縮んでスイングアームが大きく動いていくと・・・。 そうです、チェーンはパンパンに張ってしまいサスペンション~スイングアームの動きを抑制してしまいます。乗り難いどころかチェーンはおろかスプロケットにまで悪影響を及ぼします。

 オフ車だけでなく市販オンロードバイクでも一例を挙げると「SR400」は空車・乗車での差が大きいので乗車姿勢での調整が大事です。

オートバイはドライブスプロケットからの3点構成が重要

ドライブスプロケット」、「スイングアームピボット」、「リヤ・アクスルシャフト

この3点からなる三角形を見てみるとスイングアーム・ピボットを頂点としドライブ&ドリブンスプロケット側へと裾野を広げているのが分かります。

 この3点を、A・B・C点とし説明を進めます。

A点:ドライブスプロケット・シャフト

B点:スイングアーム・ピボット

C点:リヤアクスルシャフト

 

~~~この図を見ていくとサスペンションが縮んでスイングアームが上方に向かうと、ドライブチェーンが相当量引き寄せられるのが確認出来ます。

この事から分かる様に空車状態では適正量であった筈の遊びが乗車に於いては引っ張られ遊びが無くなっている状況になります。

現代ではこの三角形の適正化が重要とされ、アンチスクワット効果によるタイヤのグリップ力含め様々な要素の観点から入念に位置決めされています

最適な調整はリヤサスペンションを取り外して

 

リヤサスペンションを外しドライブスプロケット中心(A点)からリヤアクスル(C点)までの距離が最大値になる所

これが本来理想とされるドライブチェーンの調整方法です。
殆どの場合サスペンションがフルボトムしてもここまでリヤフォーク(スイングアーム)が動く事はありませんが、理論値としてこの位置が一番良いと決定されます。
⇒画像はワイヤーにて吊られた状態です。

サスペンションを外しチェーンを任意の位置に合わせた状態で、スイングアームを持ち上げていくと最大値付近で遊びが無くなっていくのが分かります(最大値を超した時点から遊びが発生します)。

画像は最大値の時のものでチェーン上下で遊びが無い状態。調整は最大値地点をスムーズに超えられる(チェーンが引っ張られる感覚が無い様子)ように若干のゆとりを持たせた張り具合に調整します。

テスト車両における実際の数値から検証してみると・・・

Z1での検証結果を基に参考値として例を挙げるますと、サスペンション取り付けピッチが『285mm』の位置がA~C間の最大値になる地点でした。リヤサスペンションを外して測ってみると全長(取り付けピッチ)は「350mm」、ロッド長は「95mm」です。スプリング抜きにその差を見ても「255mm」ですので理論上先の最大値には成り得ませんが、これが理想とされるドライブチェーンの調整方法です。

今回のサンプル車両「Z1」は530チェーンにコンバート、ドライブスプロケット(フロント側)は「18丁」、ドリブンスプロケット(リヤ側)は「41丁」、チェーンコマ数は「110L」と言うデータを基に検証しています
この状態でリヤサスペンションを取り付けた後メインスタンドをかけ(リヤタイヤをリフトアップした状態)、空車状態でのチェーンの遊びを確認すると・・・。
~~~『40mm』の実測値
スタンドを降ろし今度は乗車状態に近い状況での遊びを見てみると・・・。
~~~『30mm』の実測値

注意すべき点はチェーンの「遊び」とは下に引いた状態から上に押したその距離をその範囲とします

 

この状態でのスイングアームの目盛りは『3目盛り+0.5本分』

~~~「遊び」。表された数値が大きく感じられるかもしれませんがこの状態で長距離を乗って峠など走っても外れてしまう心配など微塵も無く、むしろサスペンションが良く働いて加減速に於いても車体の動きは旧車とは言え十分な性能が感じられる程です。
自分のバイクのデータとして一度サスペンションを外して「空車・乗車」での数値を保存しておくと今後の調整時に役立ちます

重要!~~~ドライブチェーン調整後のアクスルシャフト固定方法

皆さんはドライブチェーンの調整後アクスルナットを締める時どうされていますか~??

アジャスターを回して適正な「遊び」を持たせた後、アクスルシャフトを締め込んで固定・・・。恐らく販売店の方々も殆どがこの手法と思われます。

正しくはチェーンの「遊び」、「弛み」を取った状態で締め込んで固定するのが正解です。その方法は2通りあり、ひとつはチェーン下側を上方に押し上げた状態で締め付け。もうひとつはチェーンとスプロケットにプラスチックハンマーや木片を噛み込ませてチェーンを張った状態を作ってナットを締め付けるものです。

分かり易い様にスーパーカブの画像で説明しています。

これはチェーンを上方に押し上げた状態で締め付けている所です。

アジャスターを回しチェーンを調整→アクスルシャフト締め付け→アジャスター再締め付け→アジャスター・ロックナット固定・・・の順に締め付け、チェーンアジャスターのロックナットは一番最後に固定します