Z1/Z2,Zシリーズに於けるオイルクーラー・ホースの取り廻し

Z-1
Z1/Z2・Zシリーズに於けるオイルクーラーホースについて
Zシリーズ ~オイルクーラーのホース

Zシリーズ用オイルクーラー。サイド回しのホースを検証します

市販キットのホースは短い?

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Z用の市販オイルクーラーキットのホース長

サイド回し・上回し・下回し。3種類の選択が可能な市販キットですが、
どれも全てホース長は短い設定となっています。

上回しに於いてのホース径はサイド回しよりもひとつ細めを選んでエンジンとキャブレターとの接触を防ぐようにします。

市販キットのホースはエンジンに近いと言うよりもエンジン・フィンに接触しています。

触れている部分を広げてみると・・・、既にフィンが擦れて部分的に擦り減っています。

短いホースの対処方法

1m単位で販売されているリペア用ホースを用意

リペア素材としてホースのみでの販売設定がされており、1mあれば十分に片側の製作が可能です。
「#8」と言うサイズがZ用では一般的な太さです。上回しの場合はエンジンとキャブレターとの接触を避ける為にワンサイズ細い物を使う事もあります。

 

この様な状態になる前にホース長を調整しエンジンを傷付ける事無く、またホースへのダメージも無い様に対処しましょう。

キットの長い方のホースを現状の短い側に使い、短い方を現状の長い方に使う入換え方法もあります。その場合はフィッティングの角度によっては長さが足らず、ホースを新品での調達が必要になる事がありますが、注文前に一度分解して確認してみると良いでしょう。
ホースの取り回しも後述の外回しから内回しに変わってしまいますので要注意。
実際のホース必要長さは「80cm」前後ですが、これは使うフィッティングの形状・角度によって変わってきます。


【フィッティングの外し方】

 

スパナ若しくはモンキーレンチを使って緩めます。
締め付け時は「コニカルシール」を使って漏れ止めとしますが、これを使わずにテーパー部分に薄く液状ガスケットを塗布しても良いでしょう。

ホースの取り廻し各種

ホースの取り付けは「内回し」と「外回し」の2種類

カスタム全盛期からの定番は「内回し」です。見栄えが良い事もあり殆どの車両で見られます。

   【内回し】  

車体左側からのホースが内側を通る事から「内回し」と定義しています。
カスタム車両の定番の通し方となっています。


   【外回し】

車体左側からのホースが外側を通る事から「外回し」と定義しています。
当時のワークスレーサー等に見られる取り回し方法です。

双方を横から見てみると・・・。

   【内回し】

 

2本のホースはシリンダーヘッドに対し、やや上方を通っています。


   【外回し】

 

外回しの場合、シリンダーヘッドに対し下方を通る様なスタイルとなります。


フィッティングの形状と角度で変わる車体イメージ

クーラーコアと取り出し側のフィッティング

この二カ所で使われるフィッティングの形状は二種類あります。形状と角度の種類によってホースの取り回しにも微妙に違いが出てきます。

双方のフィッティングの違いは「ベント」と「フォージ」。
黒い方がベントで青/赤がフォージの形状です。
ベントは90度と120度の設定がありますが、フォージに於いては90度より角度が大きい物はありません。

ホース取り出し側で使うフィッティングの角度は両方を「90度」でも問題ありません。
フォージタイプですと90度よりも大きな角度はありませんので左右のホース間に隙間が開いた取り付けとなり、ベントタイプを使うと「120度」の設定があるので左右のホースが寄り添ったスマートな取り付けとなります。

   ベントタイプのホース取り出し

   フォージタイプのホース取り出し


【ベントタイプ・90度+120度でのホース取り回し】


【フォージタイプ・90度でのホース取り回し】


FCRに換装した場合のホースとの干渉具合は~?

結論からお伝えしますとベント・フォージ、そしてキャブボディの小型・大型関係なく

オイルクーラーホースは上手く加速ポンプ部分を逃げて問題無く装着が可能です。

   【ベント90度+120度】         【フォージ90度】

クーラーホースの取り回しひとつとってもなかなか仕上がりに大きな変化をもたらします。
キットではなく単品揃えで組み込む場合はホースの通り道から長さに至るまで、各部の微調整が必要になってきます。ホース左右の長さが合わないとバランス大きく崩す事になりますので要注意。

個人的主観ですがホース長は少し長めがカッコ良いと思います。
入念に寸法を測り、自分のベスト長でオイルクーラーを作っていきましょう。

リペア用クーラーホースは1m売りで「5500~6000円(税別)」。
キットにプラスした予算を組んで理想的なカスタムを進める事を推奨します。


余談ですがアールズのオイルクーラー・コアについて。
クーラーコアには前期と後期の形状があり、前期型はパンクする事が多く後期型はオイル漏れの対策が行なわれ、同時にフィンの形状が変更になりました。