Wシリーズに見られるトラブル~シフトチェンジ編
~~~一部のギヤでシフトアップ出来なかったり踏んでもダウンしない・・・、と言った修理が時々ありますがその原因の一つに「シフトフォークのズレ」があります。
シフトフォーク調整で大幅に変わる作動性能
特定のギヤポジションで「ペダルをかき上げる・ペダルを踏む」という動作に於いて引っかかりが無く、何度かペダルを動かすとようやく抵抗がありチェンジする。こんな症状の改善策はシフトフォークの調整から始め、それで解消されない場合はフォーク先端若しくはドラム側のピンを減りの少ない物に交換して対処します。フォークのコの字方のアームが反っていて引っかかりが甘い物もありますが、それを直そうとプレスにかけると・・・、焼きが入って粘りのない素材のこのプレートはいとも簡単に割れてしまいますのでご注意を。
シフトフォークの調整方法を解説
~~~おおまかな作業手順の流れです
- ミッションカバーのM6ボルトと六角ナット(7本+1個)を取り外す
- リンクロッドを取り外す
- クラッチレバーを握った状態で固定しミッションカバーをプラスチックハンマーで軽く叩く
こうする事によりカバーが剥がれ易くなります。ガスケットは販売終了品ですので再利用の場合は丁寧に剥がすように気を付けます
- カバーが外れたらクラッチワイヤーを外します(レバー側を最初に外し次にカバー側)
- シフトフォークのコの字プレートの反りと先端部の減りを確認、シフトドラムピンも確認(パーツリストでは「レバー、チェンジポール」と表記)
- リンクロッドを取り付けギヤを入れる(ニュートラルではない状態で作業する)
- コの字部分とピンのクリアランスが上下同量になる様にスプリングの掛かっている「ー」ピンで調整する(M6ナットを緩めて)
「ー」ピンは「偏心」になっているので回転させるとスプリングが押されてシフトフォークの位置が変更出来る
- シフトのアップ・ダウンを数回繰り返しクリアランスを確認する
- ミッションカバーを元通りに取り付ける
キックアームはシャフトに付けたままカバー側に固定した状態で反時計回りに回転させ、ストッパーに合わせてカバーを被せる
~~~以上の工程で調整は完了です。
作業の詳細を解説
シフトフォークとチェンジドラム・ピンのクリアランスを調整
上下のクリアランスを同量に設定
調整方法はマイナスのピンを回転させ調整を行う
ピンが微少に動く事でクリアランスが変わるので、レンチとドライバーは繊細に使う事
分かり易い用にシフトフォーク・シャフトは外した画像で解説しています
実際には外側のカバーで固定されない分その「ズレ」が生じます。ミッションカバーを取り付けた後オイルを入れない状態でメインスタンドをかけ、リヤホイールを回してギヤがきちんと上下(アップ・ダウン)するかを確認します。良い状態であれば改めて液体パッキンを塗布しカバーを取り付けます。
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