W1S,W1SA,650RS/W3 ~「エラ張りエキパイ」について

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W1S,W1SA,W3 エラハリエキパイについて
W1S,W1SA,W3 エラハリエキパイの取り付け

「エラハリエキパイ」とは

その名の通りエラが張った形状でのエキゾーストパイプで、様相としてはまるで「マンモスの牙」の出で立ちです。

25年も前ですがこのエラハリの引き合いが多く、純正オプション品(だったのか?)の入手が困難な時に数十セット作った事があります。3ロット作りましたが毎回即完売。インターネット等無かった頃ですが、来店されるお客さんも多かった時代のおかげで相当数の販売個数となりました。
もしかしたら今でもどこかで使われているやもしれません。


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ノーマルエキゾーストとの比較

パイプ単体では分かり難いのですが取り付けてみると一目瞭然

大きく外側に張り出ていて迫力のあるルックスに変わります。

 

向かって右側が「エラハリ」、左がノーマルタイプです。
明らかに曲がりが違います。

~~~Z2ショート管に例えると「手曲げ」感が大きく感じられるエキゾーストパイプです。

今回2台交換しましたが、1台は純正品を再メッキ、もう1台は過去に作った製品が中古でタイミングよく入荷しましたのでそれを再メッキして使いました。
再メッキ費用は1本「15000円」程掛かります。今回ひとつがとても状態が悪かった為こちらで溶盛りを駆使して送り出しましたが、先方で更に修正したいとの事でそれも依頼しました。その分の費用含めそのパイプは「20000円」を少し上回る請求となりました。
マフラーについてはパイプ内を綺麗な状態で依頼しないと断られますので内外共に洗浄して送る様にしています。洗浄費用と面修正費用はメッキ代の他に別途かかる計算です、レストアの参考にして下さい。

丸みを帯びた綺麗な曲線がWの美しさを更に引き出しているのが分かります

ノーマルエキゾーストとエラハリ、そして純正品と複製品の見分け

純正品にも2種類のパイプがあります

一般的に「単管」と「二重管」の二種類があり、単管の方は重量も軽くエラハリは単管・軽いので見分けがつきやすいです。エラハリで無い方の純正品は二重管が多く重たいのが特徴です。

内側に見られる段差で確認が出来ます。
厚手の外パイプの内に、薄手のパイプが収められています。
これが「二重管」です。
二重管は重いので持ち比べると一目瞭然です。
サイレンサー側で見る単管部分の肉厚は
「1.45mm」です。


【エラハリ】                  【ノーマル】

~~~左がエラハリです。ノーマルと比較してフランジ部分に違いはありません。


 【エラハリ】                  【ノーマル】

~~~エラハリはなだらかに曲げられていますが、ノーマルは曲げ部分が引っ張られて僅かに細くなる部分があります。


【複製品】

複製品のエラハリは単管ですが肉厚が厚いので重量があります(単管肉厚1.8mm)。
フランジ側の「リブ」の厚みも純正の「1.45mm」に対し「2.8mm」と厚く、固定する溶接スポットも純正の4箇所に対して倍以上の多さなのが特徴です。
曲げ部分も肉厚「1.8mm」のパイプを曲げていますのでその部分にシワが寄っていて、曲げも綺麗な湾曲ではなくやや鋭角になっています。

 

音に関してはノーマルに軍配。エラハリよりもノーマルの方が低音成分・音量・歯切れ共に上回ります。

再メッキしたパイプの取り付けに関して

当然の事ながら再メッキ層は厚く外径が増す

外径が増すとは言っても全体が太くなっている訳ではありません。
塗装と同じでパイプの両端部にメッキが溜まってしまう事で先端部分がどうしても太くなってしまい、サイレンサーとシリンダーヘッドに入らない場合があるのです。
今回の4本も全て例に倣った様に入りませんでした(サイレンサー側)。
ヘッド側は1本のみ入らずで、どれもベルトサンダーにて先端部分を削って元の外径にまで戻して取り付けを行いました。

 

よく見ると取り付け側・上方に向かってなだらかに太くなっているのが確認出来ます。


 

 

測ってみるとサイレンサー側に「60mm」入っています。
マスキングテープでマークしてその半分の「30~40mm」部分で削る様にします。
こうする事によって削った部分が露出するのを防いでいます。


 

 

~~~先端部分をメインに削っていくのがコツです。

 

元のパイプの挿入部分との比較です。
かなり浅く削っていますのでサイレンサー接合部の切れ目からもこの削り跡が覗く事はありません。