W1S,W1SA,650RS/W3 ~ガバナー分解とオーバーホール ②

W3
W1S,W1SA,W3 ~ガバナーのリビルトを解説
W1S,W1SA,W3 ~ガバナーリビルト

ガバナーをオーバーホール・リビルト

第二章はガバナーのリビルトに焦点を当てて解説しています。
ガバナーとは「進角装置」の事で、点火時期を回転数に応じた適切なタイミングへ調整する役割の部品です。Wに限らずここに不具合があるとキャブレターの不調に似た調子の悪さを引き起こします。
ガバナーがしっかりする事によりアイドリングだけでなく全域での安定化が図られ、本当の意味でのバーチカルツインの味わい・W本来のエンジン性能が引き出される事となります(これでより適正な点火タイミングに進角してくれます)。

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正常なガバナーと消耗したガバナー

ガバナーウエイトのピボット部分

 

後述する状態が良いウエイトピン(シャフト)と比較してみると一目瞭然です。
グリス溜まりの様な溝がありますが、酷く消耗したガバナー・シャフトは摩擦により相当な摩耗が見られます(1/6程擦り減り細くなっています)。

正常品はピンの擦り減り・摩耗がありませんのでウエイトのガタツキも少ないです。


リビルトされたガバナー

ウエイトピンとスプリングが新しくなりました

これは提携業者様に依頼してリビルトされたもの。
ウエイトピボット・純正シャフトのオーバーサイズ化がなされ、それに伴うウエイト穴の拡大で適正なクリアランスで仕上げられたガバナー。その仕上がりから新品以上の精度と耐久性を感じさせられます。

長期使用で劣化したガバナーとリビルトされたガバナーとの比較映像です。
ウェイトのガタツキは解消され、縦方向・横方向共に精度良くクリアランスが保たれています。


 

      【リビルトの詳細】

傷んだガバナーは、余程劣化・消耗していなければ殆どの場合リビルト可能です。
ウエイト部分のシャフトはオーバーサイズで作られ、スプリング・フック部分は特殊溶接で盛られて復元されます。

ウエイトピン・シャフトはオーバーサイズで新造され、それに伴ってウエイト側もリーマーを通して拡大修正しています。今後のメンテナンス・再リビルトが可能な様にピンは溶接せずにカシメとなっています。

スプリングがセットされる部分も擦れて穴が拡大され、スプリングテンションが甘くなっているものが多いです。ここは特殊溶接で溶盛りして修正しています(スプリングは新造品)。
各部の修正が終わったら専用グリスを塗布して組み立てて完成となります。

 

                                                            =ガバナー・リビルト③につづく=

 

カムもマーキングを合わせて間違いの無い様に組付けます。

 

部品の洗浄に最適なのが「パーツクリーナー」です。