650RS/W3で検証 ~W3のフォークオイル交換・オイルレベル調整方法を解説

W3
650RS/W3 フロントフォークオイル交換とオイルレベル調整
650RS/W3 フロントフォークオイル量の調整方法

~~~現代版に合わせた測定方法でフォークオイル量・レベル調整を行います。

フォークOH・分解整備を前提に解説をしています


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マニュアルに無いオイルレベル調整

Z1/Z2と違いオイルレベルの案内はなくオイル量でのデータが一般的です。

650RS/W3のフォークオイル規定量は『165㏄』です

オイル粘度はカワサキの場合「2サイクルオイル」指定が通常ですが、純正仕様の場合にはホンダのクッションオイル・10号を使っています。

同じ純正フォークでも内部加工してスライドメタルやブッシュを追加したものには「ASH/アッシュ」のオイルをブレンド・粘度調整した物を使用します

フォークオイルレベル調整 ~分解編

650RS/W3のフォークをフルに分解

分解後、綺麗に洗浄した後一度組み立てます(オイルはまだ入れない)。
トップキャップを外してスペーサーと、段付きのワッシャーに似たフォークスプリングガイドと呼ばれる部品そしてフォークスプリングの3点を取り出します。

 

パーツリストの19番が「スペーサー、フォークスプリングガイド」、20番が「ガイド、フォークスプリング」です。

フォークオイルレベル調整 ~調整編

スプリング類を抜き去ったら垂直に固定します

現行車両と同じ方法でフォークオイルレベルを調整します。

フォークスプリングは入れない状態で、インナーチューブを最後まで(一番縮んだ状態まで)押し込んだ状態での計測となります。


計測はインナーチューブをいっぱいまで縮めた前屈での状態で行います

~~~規定量の「165cc」を注入します

(注)ここでのフォークオイルはホンダ純正オイルを使用しています。

オイルを注入後、インナーを上下に10~20回程ストロークさせケース内のエアを抜きます。
オイルが安定するまで10分程おいておきます。

フォークを斜めに傾けながら回転・ストロークさせると、ケースとインナー内の突起に隠れたエアまで抜く事が出来ます

【推奨フォークオイル】


フォークオイルレベル ~オイルレベル数値

フル分解・規定量注入後のオイルレベル数値

現行車と同じ測定方法でのオイルレベルは「206mm」です。

メスシリンダーに残る微少なオイル量を加味しても上下2mm内で良いと思われます。

左右をこの数値に合わせセットアップするとバランス良くフロントサスペンションがセットアップ出来ます

【650RS/W3 フォークパーツ・データ】
スプリング長 : 330mm (使用限界320~325mm)
カラー長さ  : 159mm

長めのカラーを使う事によってフォーク内に残る空気層、いわゆる「エアバネ」の効果を大きく使った割とソフトな仕様となっています。

非分解でのフォークオイル交換方法

マニュアルに沿った分解無しでのフォークオイル交換方法です

【作業手順】

  1. フォークオイルドレンを外す(ボトムケース下・側面の「+」ビス)。
  2. 交換フォーク側にハンドルを切り、車体に跨った状態でストロークさせてオイルを抜く。
  3. フロントを持ち上げトップキャップを外し、フォークオイルを規定量注入する。

  【手順① ~ドレンビスを外す】

フォークをストロークさせた後にビスを抜くとオイルが吹き出てくる場合があります。
ジャッキで前輪を持ち上げてから外すとオイルの飛び出し防止になります


【手順② ~フォークオイルを抜く】

~~~オイルを抜く方向にハンドルを曲げフォークをストロークさせてオイルを抜きます。

フォークオイルを抜く際にメインスタンドが無い場合、サイドスタンドでも作業可能です

 



参考記事内で推奨フォークオイルの詳細を解説しています。