Z1/Z2と650RS/W3のフロントフォークの違い ~両者を分解・比較解説

W3
Z1/Z2と650RS/W3のフロントフォークを分解・比較
Z1/Z2と650RS/W3のフロントフォークを徹底分析

同じ様に見える両者フロントフォーク

同じ様相ですが全長から内部構造まで細かく違っています。
ここでは各々を分解してその違いを比較・解説していきます。

 

 


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Z1/Z2と650RS/W3のフロントフォークの違い

アクスルシャフトの取り付けとインナーチューブ径が同じだけ

内部主要パーツの殆どが違います。センターロッド先端部のアルミスリーブとインナーチューブ先端内部に固定されているオイルロックピース、オイルドレンボルトとオイルシールとワッシャー・クリップ、そしてトップキャップ。同じ部品はこれだけです。

アクスルシャフトとメーターギヤボックスが同じなのでシャフト取り付け部分の形状は同じです。

Z1/Z2,650RS/W3のフロントフォーク比較 ~カスタム余談

アクスルシャフトの話ついでに・・・

アクスルシャフトと同軸にセットされる「ハブカバー」。Z1/Z2はステンレス製のカバーでダブルディスク用のローター取り付け穴を隠す様に取り付けられています。
W3は最初からダブルディスクですのでこのカバーは無くその代わりにハブセンターのオイルシールを保護するカバーがセットされています。
Z1/Z2をダブルディスクにした場合にW3用のこのカバーを取り付けると見た目スッキリで、クロームメッキをかけて付けると更にカスタム感がアップします。


フロントフォーク周辺部品についての注意点

本来ZとW同じであるはずのボトムケース下の「スタッドボルト」

ボトムケース下のM8スタッドボルトは、W3のパーツリスト番号で注文すると長い物が来てしまいます。これはネジの無い部分が長く設定された部品ですので全く使い物になりません。これは「Z2」用で注文しないといけませんので要注意。

W3用の長さは「50mm」
Z2用の長さは「35mm」です。

【スタッドボルトの部品番号】
W3: 172G0850
Z2: 172G0835

~部番末尾が長さを示しています。


各部品の寸法を比較

フォーク全長はW3もZ1/Z2も同じ『745mm』です
~~~この数値はフォーク・クランプ合わせ面よりインナーチューブ・トップまでの距離です。

 【フォークオイル量】
W3: 165cc
Z2: 169cc

 【インナーチューブ長】
W3: 590mm
Z2: 615mm


【ボトムケース長】

W3: 305mm (330mm)
Z2: 295mm (320mm)
ケース底部からボトムケース・トップまでの長さ(カッコ内はクランプ面からの測定値)。



 【スプリング長 / スペーサー長】
W3: 330mm / 159mm
Z2: 495mm / スぺーサー不使用

 


【インナー前屈長】
W3: 621mm
Z2: 646mm
~スプリングとスペーサーを抜いてインナーを縮めた状態で、クランプ合わせ面からインナーチューブ・トップまでの距離です。


 

ピストンロッド長
W3: 225mm
Z2: 235mm

 

~~~上が「Z2」、下が「W3」です。
W3になるとピストンリングが省略されていたり、オイル通路に変更があったりします。
ピストンロッドは長さも材質も違い、Z2はスチールですがW3はアルミ製です。

Z1/Z2,650RS/W3 ~フォークオイルレベル

現行車両と同じ前屈状態での計測値

検証によりZ1/Z2で「255mm」650RS/W3で「206mm」と実測値が出ています。
現行車両と同じ計測方法で、スプリングとスリーブを抜いてインナーを最大限度まで前屈させた状態での測定方法です。

 

 

Z1/Z2よりもW3の方がサスは硬めの設定です
フォーク・インナー長がZよりも短いW3では、Zのスプリング長よりもW3の方がスプリング+スリーブの長さは短く、オイルレベルで見ると約40mmほど油面が高くなっています。