セルボタンを押すと「カラカラ」と空回りする音が出る様になったら要注意
スターターが空転し始めたら「スタータークラッチ」交換時期のサインです。
ワンウェイでクランクシャフトと共廻りする構造ですが、3つのローラーの摩耗やスターターギアの消耗が大きくなってくると空回りが始まります。
作業は車体を真っすぐに立てた状態で行います
純正部品は現在も入手可能
スターターはギアもクラッチも販売中です
ギアー、スターティングクラッチ: 21167-003(税別 22900円)×1
クラッチ、スターティング : 13194-003(税別 7810円)×1
ローラー : 92122-001(税別 410円)×3
プラグ : 92043-087(税別 450円)×3
スプリング : 92081-110(税別 180円)×3
パーツリスト番号22番の「プレート、クラッチスターティング」は販売終了です
スタータークラッチの交換
分解時はエンジンオイルを抜いてから行います
スタータークラッチの交換は左側カバーを分解しないとなりませんのでエンジンオイルが抜けてしまいます。ですので作業はエンジンオイル交換時期に行うのが丁度良いタイミングとなるでしょう。
フロントスプロケットカバーを外してジェネレターの配線をフリーにし、取り外したカバーごと台の上に置いておくと作業がし易くなります。ここでは買い物カゴを逆さまにして使用していますが、この高さが丁度良い塩梅です。
スターティングクラッチとローターの組み換え
クラッチアッシーの場合、ローラー・プラグ・スプリングの3種が組み込まれた状態です。
ギアはひと頃よりも1万円程値上がりしています。カワサキ純正部品は販売終了間際に定価がグンと上がる事が多いので近いうちに無くなってしまうかもしれません。ここは早めのストックを検討した方が良いでしょう。
スタータークラッチの組付け方
【ローターの組み付け】
ローターにプレートを取り付けます(表裏ありますので注意)。
M8ボルトにネジロック剤(中強度程度)を薄く塗り締め付けます。
新品ですとローラーが飛び出ない様に白いリングで押さえられていますが、これはギアに取り付けるまで外さない様にしておきます。
ギアへの取り付け前にはこの銅製のスラストワッシャーを忘れずに取り付けます。
脱落しない様に硬めのグリスで貼り付けると作業性が良くなります。
【ギヤ側の組付け方】
この様にギアにはベアリングが入り、エンジン側にスラストワッシャーとダンパーラバーが入ります(黒いダンパーラバーの表裏に注意)。
正しく組み付けが完了した時ギアは単体で時計回り方向にのみ回転可能で、反時計回りにはクランクシャフトと共に回転するのが正常作動です。
【ギア組付けのポイント】
【クランクシャフトへの組み付け】
クランクシャフトにキーを取り付け、ワッシャー→ベアリング→ダンパーを貼り付けたギアの順に組み込んでいきます。クランクシャフトはローターを組み込み易くする為に、キーが上面を向く位置に回転させておきます。
先の動画を参考にスターターギアが右回転のみフリーで回転するかを要確認します
ジェネレター配線部分のオイル漏れについて
Z1/Z2の泣き所・ジェネレター配線からのオイル漏れ
Z750FX/Z1000Mk2以降漏れる事は稀になりましたが、Z1/Z2ではその殆どの車体でここからのオイル漏れが確認されています。