オイルクーラーとラジエターの負荷圧力について~実際にかかっている油圧と水圧

Z-1
Z1/Z2 オイルクーラー
スポンサーリンク

【お】 【ら】

 

オイルクーラーとラジエターに加わる圧力について

オイルクーラーとラジエターの圧力点検はマニュアルに沿っての点検方法を推奨しますが、ここでは一般的な例を挙げて解説しています。 ラジエターよりもオイルクーラーの方がエンジン内部と繋がっている為圧力は高いです。ですのでホースに掛る圧力も当然の事ながら高圧力となります。

エンジン油圧点検とその方法~オイルクーラー編

~~~オイルクーラー含め油圧の点検はオイルプレッシャースイッチ(油圧スイッチ)を外しテスターを取り付けて点検します

旧車のCB750F(RC04)を例に挙げると油圧は「7000rpm / 5.0kg-㎡ / 80℃」となっており、オイルクーラーコア、ホース共に点検に出すと「10.0kg-㎡」加圧して点検するのはこの為です。

Z2の場合はどうでしょうか~? マニュアルでは右側クランクケース上の「オイル通路の栓」を外してテスターをセットし測定します。 「3000rpm / 0.2kg ㎠/ 60℃」となっています。

このように車種ごとに検査回転数も違えばテスター取り付けも全く異なります

Z2のテスター取り付け部分は、油温計のセンサーを付ける部分です

 

冷却系統・水圧点検とその方法~ラジエター編

 

~~~ラジエター圧力はラジエターキャップを外しテスターを装着し行います

ラジエターに加圧し6秒間保てれば良好とホンダのマニュアルでは解説されています。加圧圧力(開弁圧)は「1.1kgf/㎠~1.4kgf/㎠」の範囲でテストします。指定圧力以上で加圧しすぎると冷却系統に損傷を与えますので指定範囲内を心がけます。 2サイクルの車種によってはもう少し高く「1.5kgf/㎠~1.8kgf/㎠」が指定圧力となっています。

圧力漏れのある場合はホース、各接続部、ウォーターポンプの取り付け部分、ウォーターポンプブリードホールに水漏れがないかを点検します。

 

ブリードホールとはポンプケース下部に開いた穴で、少量染み出る程度であってもこれは正常です。持続して漏れる場合を水漏れと判断しメカニカルシール、若しくはポンプASSYでの交換となります。

ラジエターとオイルクーラーコアは似ていて非なる物

ラジエターとオイルクーラーコアは通過する液体の違いから掛かる圧力も違い、その為強度も変わってきます。
コア材が真鍮だと点検時に圧力がかかり過ぎると膨張してしまったりするので要注意。
ラジエター・オイルクーラーは修理に出すとどちらも「10.0kg-㎡」加圧で点検されてきます。
余談になりますが、コンデンサーに於いては使用時に「10.0kg-㎡」まで圧力が上がりその後「7.0~8.0kg-㎡」まで落ちるようになっていますので、点検は「10.0kg-㎡」以上で行われます。

最近「上回し」でのオイルクーラー・ホースの取り回しが定番になりつつありますが、やはり(個人的主観ではありますが)、「サイド回し」が整備性云々以上に美しいまとまり方だと思います。