素材から加工方法と微品に至るまで
エイプのマフラーでも紹介しましたが性能と共に仕上げまで拘りの製品です
CB400SFで見るヨシムラ・スリップオン
スリップオンでもフルエキに引けを取らない
規制は通っているものの、その範囲内であってもかなり音は大きく太く耳に入ってきます。
ノーマルでも決して遅くは無くむしろ速い部類のオートバイです。この「400cc」と言う排気量は全てに於いてベストなものと思わせられる魅力があります。街中でも高回転まで回す事が出来、シフトアップも軽快に加速が行なえると言うのはパワーをもてあそぶビッグバイクでは得られない快感です。
唯一のウィークポイントである「排気音」。メーカー純正マフラーですとやはり静かで物足りなさを感じる部分であります。性能を維持しつつ、規制値の範囲内で限りなく良い音にしたい。これは全てのライダーの希望でもあります。
やたら音が大きいだけで実はその音にごまかされて、遅くなっているのに気づかず速くなったと勘違いしてしまう事も多くあります。
フルエキは高価でちょっと手が出ないかな・・・、かと言ってスリップオンでは性能が・・・。
と思われる方もきっと多いと思います。しかしそこはかの「ヨシムラ」です。
上手な製品づくりで素晴らしい物になっています。
スリップオンはスタイリングだけでなく性能面からも敬遠されがちですが、驚く事にサイレンサー交換のみでも飛躍的にその性能が向上します。
たったサイレンサーだけなのですが押し引きなど取り回しまでもが軽く(純正品は様々な規制を満たす為の構造上相当の重量)、騒音も十分に太く大きく耳に入ってくる音は十分に満たされる音質・音量です。
これはやはりヨシムラのなせる技術で、騒音レベルだけでは測れない五感に訴える何かがあるのでしょう。これは実際に装着した人にしか分かり得ないスリップオン・サイクロンの紛れもない事実です。
この『ヨシムラ』、過去の数多のスリップオンを凌駕する製品である事は間違いありません。
ヨシムラ・スリップオン ~エクステリア
ヨシムラの『売り』は軽量化だけではありません
いつしか仕上げの美しさまでもがヨシムラの特徴となっています。
これはスーパーフォア用にとどまらず、全商品に言える事でもあります。
スタイリングはカタログ写真で見るよりもかなり立ち上がった角度で迫力があります。
他社製品と比べる事になりますが、例えば「モリワキ」。
エキゾーストパイプ表面はガサガサで加工で出来た物なのか筋も多く見られる粗さが目立つ表面粗度で、その為焼き色も薄っすらと甘く決して鮮やかでは無くぼやけた感じです。
ヨシムラ製品はパイプ表面が平滑で艶のあるパイプ表面です。ですのでパイプ自体が輝き、焼き色もはっきり・くっきりと映し出されとても綺麗です。
細部にまで拘った造り
ヨシムラ製品の優れている部分のひとつに挙げられる「仕上げ」
手に取った瞬間から素材・パイプの選定に始まり溶接、そして印字まで美しさを極めた製品造りを肌で感じます。
スリップオン・サイクロン ~唯一の問題点
実は重要な部分であり改善を求めます
純正・ノーマルエキゾーストとの接合部分。
ここにはガスケットが入らない構造になっています。これはパイプ径を太くしたくなかったのだと思われますが(性能を求めるが故)、そのまま組み付けると必ず「排気漏れ」を起こします。
前述しましたがサイレンサーバンドは耐震ラバーと共締めとなる為、その位置合わせが非常に手間がかかります。ですので仮組後必ず接合部分には液状ガスケットを多めに塗布して組み込みます。
時間の経過でノーマルエキゾースト部分が錆びています。丁度サイレンサーパイプのストッパーになる所。耐熱シルバーを塗って対処しましょう(ストッパーリング部)。
液体パッキンはサイレンサーとエキゾーストの双方に厚めに塗って組み込みます。
おそらく性能以上にスタイリングを考えての選択なのでしょう。
ガスケットを伴う構造だと一段太くなり「エキゾースト→接合部→サイレンサー」と3段階に段々になってしまいます。これではやはりいかにもスリップオンと言った見た目になります。
ガスケットを入れずパイプ径を同径でサイレンサー迄繋げる方がパイプラインが綺麗なのは間違いありませんから・・・。