排ガス検査を旧車で実施
旧車の排気ガス
現在の車検制度で旧車への排気ガス検査はありませんが、今後実施される事を想定して
CO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)の濃度を調べてみました。
想定される「11年ガス」で検査
今後導入の可能性が高い旧車への排ガス規制による車検時の「排気ガス検査」
これを踏まえて実際のガス濃度を知っておく必要性が出てきましたので、陸運局にて許可を得て2通りの車両パターンで排ガス検査を行ってきました。1台はフルノーマル、もう1台はエンジンを除く吸排気チューンの施されたカスタム車両です。排ガス検査には「11年ガス」とその次にもっと厳しい「19年ガス」がありますが、令和2年12月より導入の「令和2年ガス」が新たに始まります。これは海外規制「ユーロ5」と同等の強大な規制でメーカーがクリヤーするにもかなりの困難が伴う厳しいものです(令和2年11月時点で検査機器には既に新しい設定ボタンが加わっていました)。
サンプル車両はZ1とCB400(408cc)
2車種での排気ガス検査・検証結果
車両は2台に絞っての検査を行い、先に結果からお伝えしますと2台とも「検査適合」でした。
各車両のコンディションは以下の通りです。
~~~【Z1】
- 純正ピストン、900cc、エンジンのオーバーホール未実施
- キャブレターはセットアップ済みのFCR33、燃費は街乗り14km
- エアクリーナー無し、ネット付きエアファンネル50mm
- マフラー・モリワキモナカ(インナーサイレンサー取り付け)
- 点火系ウオタニSP2装備、プラグNGK/BPR8ES(ギャップ1.2mm)
- 走行30000km(メーター読み)
- エンジンオイル・アッシュPSE/15W50
~~~【CB400(ヨンフォア)】
- 純正ピストン、400cc、エンジンのオーバーホール未実施(カムチェーン音大)
- 純正キャブレター、分解清掃・各種調整済み(ジェット・ホルダー・ニードル新品交換済)
- クリーナーBOX有り、エアクリーナー純正新品
- マフラー純正品(腐食無し)
- 点火系ダイナコイルとNGKプラグキャップ、プラグNGK/D8EA
- 走行40000km以上(逆輸入車の為それ以上は不明)
- エンジンオイル・アッシュPSE/15W50
【検査結果】
*****検査及び撮影の許可を頂いたうえでの結果報告です。
30000km程走ったクロスランナーでHCは260ppm、20000kmのW650でCOは約0.3%の結果からするとかなり良好な数値です。Z1はセットアップしたFCRで臨んでの数値ですが、CO濃度が高いのは排気量によるものかもしれません。CB400をFCRにしてしっかりとセットアップが出来ればHCは大幅に下げられると思います。
マフラーは抜けが悪いと不完全燃焼を引き起こし排ガス濃度も上がってしまいまいます。かといって抜けが良すぎても騒音の問題で不適合になる事もありますので、せいぜい105dbあたりで落ち着く程度の排気管を上限にキャブレターと共にセットアップするのが良いでしょう。