Z1/Z2,650RS/W3の電気系・配線修理 ~配線の繋ぎ方・ハンダとコテの使い方

ナレッジ
ZとWの配線修理 ~線の接合方法
配線の固定方法 ~配線修理に欠かせない半田ごて

腐食した線はハンダを使ってしっかりと繋ぎ直します

ZとWのメーターから出ている配線の束。
この中で2本を1本に束ねている線が幾つかあります(青線・黒/黄線)。
これの腐食による線の断線が昨今目立って多くなってきています。

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ハンダは溶かさず「流す」

ハンダの溶け込み不良が起こる原因

線と線の上でハンダをコテで溶かして盛り付ける方法。よく見かける光景ですがこれは間違い。
ハンダは溶かすというよりは線に「流す」要領です。
簡単に説明するとコテ先を線に当てて熱を加えます。その熱で十分に熱くなった線にハンダを触れさせると溶けて線の細かい隙間まで流れて溶け込んでいきます。
これが正しいハンダの付け方です。

線と線の固定方法

基本の「ハンダ付け」を踏まえて線の接合方法を解説

~~~線の被覆を剥き双方にハンダを溶かし込みます(少し多めに盛る感じで)。


 

 

 

双方の線先をあてがって半田コテで熱を加えて溶かします。
そうする事によって綺麗にハンダが溶け込みます。

~~~最後に「収縮チューブ」にて被覆を作り電気を遮断します。


 

 

~~~「収縮チューブ」とはドライヤー等で熱を加えると縮んで固定されると言う非常に便利なアイテムです。是非揃えておきましょう。

1本でも大丈夫ですが長さを変えて2重にするとずれることも無く、厚みも増して十分な保護になります。

 

 

ハンダ付け時、線の固定方法はプライヤーで挟んで口が開かない様にハンドル部分をゴムで固定するとスムーズ且つ確実に作業が行えます。


線と線の固定方法 ~ギボシ端子を使った接続

ギボシ端子を使った確実な接続方法

ZとWのメーター配線内(束内)とほぼ同様の固定方法の解説です。

オスでもメスでも、形も含めてどんな物でも良いのでギボシ端子を用意します。
カシメ部分は上下・2段になっているので、まず下側(通常の配線側)に線をカシメます。


 

 

次に先端部を切り取ります。
端子先端部のみ切り取り、もう一方のカシメ部分は残します。


 

残るカシメ部分にもう一方の配線をカシメて出来上がりです。

~~~「線と線の固定方法」欄の説明同様に、最後にカシメ部にハンダを流して収縮チューブで保護したら完成です。

2度の作業となりますが、この方法が一番確実な接合方法です。

 


Z1,Z2 ~ハーネス延長での作業解説

アップハンドルでの配線延長加工

ハーネス延長加工でのハンダ付け作業を解説

線をカットした後、被覆を剥がした芯線の先端にハンダを溶かし込みます。

結合する線の両端部にハンダを溶かし込んだら、収縮チューブを通してから繋げていきます。
ハンダを多めに盛りつけておくとハンダの追加がありませんので、片手で配線を押さえながらコテを使う事が出来るようになります。

ハンダ固定と収縮チューブでの絶縁が終わったら配線テープにて保護します。

 

配線、特にカプラー部分はタンク下やヘッドライトケース内に収めて防水したい所です。

~~~9Pカプラーで丁寧に作業すると小一時間の内容になりますがその分見栄えも良く、なによりも長期間の使用に耐えられるものとなります。