キャブレターのフロートピンについて

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キャブレターのフロートピンについて解説
キャブレターのフロートピン

キャブレター整備について

現行車両はインジェクションに変わっていますが、直近のオートバイはまだキャブレターでした。
今となっては旧態依然とした燃料装置ですがこれまでキャブレターが通常で、現在でも燃料装置・修理の多くはキャブレターです。

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キャブレター・分解整備に於いての注意点

「フロートピン」脱着の注意点

フロートを留めているピンですが、固定方法は2種類あります。
ピンが支柱の穴に貫通して固定されている物と、ピンが脱落しない様に「+」ビスで押さえられている物の二つです。

貫通式のピンについての注意点ですが、左右の支柱に開いた穴とピンのクリアランスが広く、指で押してピンが挿入出来る物とそうで無い物の2種類の方式があります。
後者の「そうで無い物」とは支柱の片側のクリアランスがきつく、挿入時はプライヤー等の工具で押し込まないと挿入出来ない方式を指しています。

フロートピンの脱着

フロートピンの脱着。ここで気を付けないとならない事は、抜く時はきつい支柱側からピン抜き工具をあて、挿入する時はクリアランスの緩い支柱側から押し込むと言う事です。
そうしないと最悪の場合支柱が折れてしまう事もありますので要注意です。
潤滑剤を使用するのもポイントですが、脱着方向に気を付けて作業を行う事が一番の注意点です。

フロートピンの抜き差しには方向性があります。
ヤマハは支柱の頭に矢印がありますので分かり易いです。
カワサキは支柱の形で区別しています。

カワサキのキャブレター画像です。
支柱左側は頭部が丸く、反対に右側は四角く造られています。


 

 

この右側・四角い支柱の方がクリアランスが少なくきつくなっています。

ピンを抜く為の工具「ピンポンチ」を使ってこの四角い支柱の方向から抜きます。
反対側から押し出そうとすると押し出す最後まで硬くきつい状態が続いてしまうのでこれが正解です。

ピン挿入は反対に丸い支柱のクリアランスが広く緩い方向から差し込むと硬い部分が短く、支柱への負担・ダメージも少なく短時間での作業で済みます。