Z1/Z2 ~ハヤシキャストへ変更・要所を解説

Z-1
Z1/Z2~ホイール交換の要点を解説
Z1/Z2にハヤシキャストホイール

すでに定番化しているZ1/Z2のホイール交換。ここでは各部の作業要点を解説しています。


 

マフラーが交換されている場合のジャッキアップ

装着されているマフラーの種類によっては後輪側にジャッキが使えません!

地を這う様な取り回しのショート管のスタイリングはとても艶やかですが・・・。

後方のレーシングスタンドは各部クリアランスが無く入りません。サイレンサー部分とマフラー集合部後方・底部が干渉。
採寸してみると「スーパーロースタンド」でもまだ位置が高く、仕方がないのでフロントスタンド&平型ジャッキをマフラー直下で対処。

凹むことはありませんが、マフラーを大事にしたい為、作業は迅速に終わらせます

まず先にホイール脱着に係る全てを緩めておいてから素早く入れ替えの作業を行います
前輪側はフロントスタンドを後輪に使うと良好に

前輪のジャッキアップは後輪にフロント用のスタンドを使うと安定します

フロントスタンドを後輪にかけ、フレーム・ダウンチューブに平型のジャッキを当てる要領です。
こうすると車体が安定しますのでフォーク整備やステム脱着の際にとても有利です。

 


 

ホイール交換の要点
簡単な事ではありますがしっかりと組み上げられるように再確認です

  【リヤハブダンパー】

純正ホイールに比べ穴径と位置関係が微妙に違い、ダンパーの取り付けには少々コツが必要です。


 

ダンパーの凸に潤滑剤を塗って取り付けし易くします。
凸裏をホイール穴に強く押しあて「かえし」部分が反対側にしっかりと出るようにします。

裏側(ブレーキ側)を見て「かえし」が出来っていない部分はダンパーを押し込みつつ、凸部分を引っ張ります(あまり強く引っ張ると切れてしまうので加減して)。

 


   【フロントホイールとディスク】

フロントホイールで大変なのはアクスルシャフトを緩める事のみで、その他は特に難しい事はありません。ディスクローターボルトを緩める作業は、タイヤが接地している状態で行うとホイールが回転することなくスムーズに出来ます。

ディスクは洗浄・錆落とし後、単体の状態で保護剤を塗ると綺麗に仕上げる事が出来ます。
今回はホイールと共にワコーズのガラスコート剤「バリアスコート」を使用しています。
ホイールはアルミ地肌のリムをまず先にコンパウンドで磨き、その後にリム部分を含めてコーティングします。


 

画像ではコーティング剤を直接ホイールにスプレーしていますが、磨き上げるウェスの入り難い溝部分のみで、それ以外はウェスにスプレーして拭き上げています。

ホイール交換作業と一緒に、前後共にこうしてひと手間かけておくと後のメンテナンスが楽になります。


アクスルシャフトのメンテナンスはこちらから


ドライブチェーン調整後とアクスルシャフト締め付けについて

過去にも度々解説していますが確認の為再度のご案内です

ドライブチェーンの調整は必ず「乗車した状態」で作業する事です。
殆どの場合一人整備だと思いますが、フロントスタンドで車体を直立・後輪が接地している状態で、フロントステップに体重・荷重をかけます。そうするとサスペンションが沈みスイングアームの角度が変わります。ドライブチェーンはこの作用で引っ張られる事になりますので、この状況でメーカー指定の「遊び」・弛みを作ってあげます。サスペンションが伸びきった状態・センタースタンドで調整してしまうと、スイングアームの動きを妨げる事になり非常に乗り辛くなってしまいます。ですので正しいチェーン調整は前後輪接地・乗車荷重のかかった状態を作って行います。

チェーン調整が終わりましたらアクスルシャフトを締め付けて完了となりますがここも重要で、スプロケットとチェーンとの間に木片などを噛ませてホイールが前に引っ張られた環境で締め付けます。こうする事でホイールがブレることなくきちんと調整した位置で固定されます。
画像ではプラスチックハンマーを挟んでいます。金属物ですとスプロケットの歯にダメージを与えてしまいますので、固い木・プラスチック系の物が良いでしょう。
噛み込ませたらタイヤを回転させテンションをかけておいてナットを締め付ける様にします。

理想的なドライブチェーン調整方法とは・・・。
サスペンションを取り外し、スイングアームをシートレール側に回転させていきます。
そうするとチェーンが一番引っ張られる所が見つけられますので、その位置で僅かに遊びを持たせる方法です。