Z1/Z2 定番となりつつあるクロモリシャフトを装備~その効果とは

Z-1
Z1用クロモリ・アクスルシャフトを検証
Z1/Z2 クロモリシャフトの効果を探る
良否で何かと話題に上る「クロモリシャフト」。
まずはリアアクスルにてその違いが感じられるか検証です。
クロモリ→クロム・モリブデン鋼の略。
なじみ深いところでは、GPZ900Rのフレームに使われている強度の高い材質です。

株式会社P.E.Oの「ゼロポイント・シャフト」を取り付け
数社で販売されていますが、どのメーカーさんも精度が高く高品質です。
金額の差は加工・処理の仕方や製作個数、材料の流通具合での相違と思います。

    【Z1/Z2用 リア・アクスルシャフト】

この製品は精度・真円度と摩擦係数に重きを置いた製品です。
それによって転がり抵抗が少なくなるという趣旨の説明があります。
メーカーサイトに表記はありませんが、表面の黒色からレイデント処理と思われます。

同社では「78-80 Z750FOUR」として税別23000円と30000円の製品が存在しますが、
その差異は明らかになっていません(ここで使用の物は「23000円」の製品)。
フロント用は残念ながら後期型の両端六角ナット締めタイプの設定のみです。
他社では前期用フロントアクスルの他、スイングアームピボットの設定もあります。
いずれその二点を装着・試乗記も追加したいと思います。


クロモリシャフトを検証
シャフト頭頂部以外はほぼ同形状です

    【クロモリシャフトと純正シャフト】

長さはどちらも変わらず
全長は首下「294mm」です。
シャフト頭の形状がクロモリは六角に変更されています。
一番の違いはシャフトが肉抜きされていて
「中空」加工されている事。

 

 

表面が黒いのはメッキの処理でこうされている様子です。
これはドレスアップ以上に摩擦係数を下げるものと、防錆の為の処理と思ってください。
クロモリ鋼は非常に酸化しやすい・錆びやすいので表面処理は必須です。
抜き差しする特性のアクスルシャフトは、メッキも弱いとそこから腐食が進行するので
薄い皮膜の割には表面硬度は高くしっかりとした処理となっています。


 

純正他アクスルとの比較考察

純正のアクスルとモリワキスイングアーム用のアクスルシャフトと製品重量を検証


【純正シャフト】

純正シャフトの重さは「771g」。
クロムメッキ済みですがそれはほんの誤差に過ぎません。



【クロモリシャフト】

気になるクロモリシャフトの重さは「403g」。
さすがに中空加工・肉抜きされていると大きな差が出ます(約半分!)。
強度を上げているにも拘らず、この軽量度合いは素晴らしい性能向上です。



【モリワキ中空シャフト】

モリワキ中空シャフトとは、Z2新車当時
モリワキから販売されていたアルミスイングアームに付属していた物です。

全長が「282mm」とやや短いのが特徴で
前出のスイングアーム専用品の為、単品での販売はありませんでした。

クロモリシャフトとほぼ同形状で、これもクロモリ同様に肉抜き・中空加工されています。
ネジ部分に緩み止めのピン穴はなく、ロックナットにて締め付け・固定する方式です。
これは少しでも軽くする為にロックナットで全長を抑える構想だったのかもしれません。

このモリワキシャフトの重さは・・・

素晴らしい数値です。
~「343g」。
純正シャフトの半分以下と言う軽さです。
締め付けナットとワッシャーまで含めた総重量だと、その割合はもっと大きくなることでしょう。

クロモリシャフトには防錆加工が施されていますが、組付け前の潤滑剤で更に防護するのを推奨します。ボルト部分やシャフト表面に付いた僅かな傷から浸食は始まります。

 

 

お勧めはワコーズの「メンテルーブ」で、潤滑性能以上の防錆効果です


実装・試乗しての感想
綺麗な仕上がりのシャフトで足回りが引き締まった感じです

    【取り付け画像】

~~~ナットは過去にドレミコレクション販売のステンレス製品です。
販売開始前に現代表取締役・武さんより頂いた物です(かれこれ30年位前でしょうか)

交換前と交換後、店内から押し出すところから全て同じルートを辿っての比較・感想です。
「転がり抵抗で押引きが・・・。」
と言った恩恵は感じられず、出し入れでの違いはありませんでした。
「乗り出し・スタートからその違いが・・・。」
と言うものも感じられず。
「良く転がるのでエンジンブレーキが利いていない様に・・・。」
エンジンブレーキ後もそのまま進んで行くと言う、これも特に分からず。

唯一の違いはフル加速時の車体安定性。
これだけは明らかに違いがあり、リアのホワイトパワーが暴れず路面追従性能が上がったことが分かります。
もうひとつ。エンジンがかかっていない状態で、緩やかな斜面で静止したところでブレーキを解除。そうするとクロモリシャフト装備の方が「スルスル・・・」と後ろへの下がり始めが早いのが確認されました(押し出しでは分からずともこうした環境を作ってあげると体感しやすい)。

 


 

試乗しての総括
こうして見てみると、フロント・リア・ピボット(スイングアーム付け根)。
この三箇所をセットでの換装で本来の性能が発揮されるように感じました。
シャフト一本のみの交換で違いがはっきりしたような感想も見聞きしますが、これはタイヤ交換などアクスルシャフトを抜くような作業が行われたことが無い車両での話かもしれません。
これは新車時のままと比べた時、専門知識・技術のある人間が一度でもシャフトを抜いて、しかるべき処置をしてしっかりと組み直しただけで車体の作動性は変わります。
一部のSS・スーパースポーツでは、純正品・標準でクロモリ仕様の車両もあります。
社外品との差は大きくありませんので、購入以前にしっかりと調べることも大事です。
次回、フロント側とスイングアームピボット、可能であればエンジンマウントボルトまで交換しての試乗検証を行いたいと思います。