旧車ブームとなった90年代ではただ単にプレスタンクと呼ばれていましたが、前期も後期も同じプレス製法と言う事からその後リブ(縁)の位置(内側・外側)での判別として「内プレス」「外プレス」と区別されるようになりました。
純正・内プレス、PMC製品、ドレミコレクション製品 3種の比較
純正・内プレスタンクは15リットルタンクをサンプルに検証しています。このタンクも元々はメーカー公表値は「17リットル」で、初期のショートピッチエンブレムの「18リットル」に対してのモデルチェンジ版の扱いになっていました。実際に全くの空にして燃料を注入して15リットルしか入らないのですがこれはサイドスタンドでの注入によるもので、タンクを水平にして口いっぱいまで入れて17リットルです。しかしこれは現実的ではありませんのでやはり「15リットルタンク」と呼称しています。
純正15リットルタンクとPMCタンクの比較検証
【タンクキャップ回り】 段差がPMCタンクはなだらかでくっきりとした形ではありません。
【タンク後端縁部分】 PMCタンクは丸い山形 純正タンクは頭頂部がやや平らな富士山形
PMCタンクとドレミコレクションのタンク
【タンク前方縁部分】
PMCタンクは純正タンクに近いリブ形状 ドレミタンクは幅が倍以上ありシャツの襟の様
フロント・開口部も双方全く違う程の開き具合で、赤タンク・PMC製品が純正に近い形状。
【タンク後部】
PMCタンクはフックが後ろ寄り ドレミタンクは̘̟前寄りで「D」の刻印入り
【外観全体】
リプロメーカーそれぞれの総論
【ドレミタンク】・・・・・初期の「18リットルタンク」をベースに複製していますが本物と比べてしまうと角張った作りで、タンク後方から見ると角と平面で構成された曲面の少ない物となっています。写真で判断し難い部分もありますがドレミタンクはサイドの丸みが足りなく、上から見ると若干箱形状に見えてしまいます。タンクキャップ周辺は純正タンクに近い仕上げですが純正とは程遠い縁形状。フレームフィッティングは悪く(底面形状が純正と合っていない)、取り付け時タンクラバーに収まるまで底面の数カ所がゴツゴツと車体側に当たります。塗装状況に於いては平滑で2色の段差も無く茶メタは当時の色にかなり近いです。研ぎ仕上げですので艶のある綺麗な仕上げです。
【PMCタンク】・・・・・後期「17リットルタンク」をベースに複製されたタンク。フレームフィッティングは素晴らしく純正タンクと同等です(底面プレスが純正にかなり近い様子)。上から見たタンク形状はとても良く、純正タンクを上手くコピーしていて特に前側開口部周辺は複製品の域を凌駕している程と感じます。それを踏まえるとタンクキャップ回りの仕上げが残念です。ここは乗車位置から常に見える部分ですので次期モデルチェンジの際には修正して欲しい部分です。塗装に関しては最後に取り扱ってから数年経過していますので現況が把握できていません。
テールカウル検証 (純正 VS ドレミ)
純正ペイントのテールカウルとドレミテールの比較検証です。
【ドレミテール】 【純正オリジナル】
~~~こうして比較してみると明らかに違います。看板商品と言う割にカウル形状・ラインの位置、残念ながら全く違います。ドレミテールのラインが見る角度によって波打っているのはそもそもカウル形状が違うからで、純正は綺麗にアールを描いていますのでどの角度から見てもラインの曲線は崩れていません。
上部から見れば形状の違いは一目瞭然で純正品が先端に向かって尖っていくのに対し、ドレミテールは尖らずに幅の変化が先端に向かってもあまり変わりません。
テールカウル検証 (ドレミ VS PMC)
ドレミテールとPMCテールの比較検証です。
【PMCテール】 【ドレミテール】
PMC製品では書類ケースが最後まで入りません。それに対しドレミ製品は純正品と同じ精度で「すぅっ~」と入っていきます。以前PMCに問い合わせたところ、当社テールを使う場合はこれも当社販売の書類ケースを使って下さいという返答を頂きました。確認すると確かにその同社製組み合わせでは問題なく収まっていました。