純正部品でのマスターシリンダーOH
部品はZ1/Z2用「1/2」サイズ、W3用「5/8」サイズ共にカワサキ純正部品として販売されています(PMCとドレミコレクションでも売られていますが純正品よりも高価です)。
メーカーから入手出来るうちは純正部品を使うのが良いと思いますし、他の部分に関しても私はそうしています。
リペアキット交換の要所を解説
Z1/Z2用リペアキット(1/2サイズ) : 43073-001
W3用リペアキット (5/8サイズ) : 43073-005
ブーツ下のピストンの抜け止め・サークリップを外すのに苦労すると思いますが、ここは長めの専用プライヤーでもクローが太いと届きません。新品のキットにサークリップも同梱されていますからクリップを壊してしまっても大丈夫です。プライヤーは使わず「ピック」を使用してサークリップの穴に掛けて引き出すのが正解です。サークリッププライヤーを使う場合は、ピストンを押し込んだ状態で固定してあげると先端部がサークリップ穴に届き外し易くなりまます。
【組付け時】
やはりサークリップ取り付けが大変になると思いますが、ピストンを押し込んだ状態を保持しながらサークリッププライヤーで押し込むと簡単に装着が出来ます。クリップを途中まで装着した所から、サイズを合わせたスリーブ・カラーで押し込むのももうひとつの手段です。
ブーツ固定用のクリップは開口部分をレバーと反対向きの位置にして指で押し込み、途中から細めのマイナスドライバーを使って最後まで押し込みます。押し込み過ぎるとブーツ下まで入ってしまいますので、底付きした間隔を頼りに加減して取り付けます。
インナー組み込みの際はシリコングリスをゴム類の側面と表裏にくまなく塗るようにし、シリンダー内壁側にも薄く塗布してから組み込みます。
ピックセットがあるとサークリップ取り外しに便利です
リザーブタンクキャップ取り付け
ダイヤフラム上部には必ずリングを取り付け
プラスチックのワッシャーですがこれがないとキャップを締め込んだ際にダイヤフラムがずれてフルード漏れの原因となる事があります。この樹脂ワッシャー取り付けに加えて、ネジ部分にシールテープを巻いて滲み対策とします。
メーカー廃番品ですが当サイトでの販売が御座います
シールテープの巻き方を考察
巻き方向を考えて貼っていかないとキャップを回した時にテープが剥がれてしまいます。
時計回りに巻くとキャップを回しても巻き終わりが進行方向に伸びていますので、ネジに引っかからずに剥がれる事はありません。
シールテープは時計回りに巻くのがコツ。
こうする事でキャップの回転方向とテープ巻き終わり方向とが一致してテープが剥がれる事はありません。この巻き方向を間違えるとキャップを回転させた時に、テープを剥がす向きに力が作用してしまいます。
樹脂ワッシャーと合わせてシールテープを使う事によってフルードが滲んでくることは無くなります。
フロントブレーキレバー調整
回り止めされたマスターシリンダー下部のボルトの役割
これはブレーキレバーの位置調整用ボルトです。
現行車では標準の調整機構ですが、約半世紀前の車両で既に使われていた事には驚きます。
ロックワッシャーで固定されているとは言え、調整が出来るのは当時革新的であったと思います。簡単に説明しますとボルト先端部にネジの切られていないロッド部分があり、それはボルト中心からずれた「偏芯」となっています。ボルトを回転させると偏芯になっているシャフトがレバーのストッパーになっている事で、回転位置によってストッパー位置が変わる(レバー位置が変わる)と言う良く考えられた調整機能となっているものです。
ゴムチューブが劣化して無くなってしまっている車両が多いですが、これは適当なゴムチューブで代用が利きます。
最近の調べではブレーキフルードの銘柄による利きの違いが大きく話題になっています。
2サイクルオイルと4サイクルオイルの変更で共にパワーが上がったり、それと同様にブレーキフルードの銘柄変更で利き・タッチ共に良くなる等の良さが体験出来る程になってきています。
クラッチフルードに使うと「引き」が若干重たくなる事が感じられますが、繋がりの良さ・ギアの入りの良さが飛躍的に向上するフルードです。