【よ】 【C】
あまりに酷いのでメーカー窓口に問い合わせましたが・・・。対策品は無く交換は出来ないとの事で少々唖然としてしまいました。先方も原因は分かっているにもかかわらず販売数の減少によるコストの面から対策は出来ていないとハッキリ申しておりました。その分すっきりとはしましたが、それならばメーカーサイト内で忠告するなり製品に一言付け加えるなりの対処位はお願いしたいものです。ここではその警鐘として事実検証の解説をしていきますので、これからこのピストンキットを使う際のアドバイスとしてご覧下さい。
ヨシムラ ボアアップ・ピストンキット
~~~ボアサイズ:54.5mm 圧縮比:9.6:1 排気量:458cc
これがこのピストンキットの製品情報です。組み込み後乗ってみると慣らし運転が終了したあたりからトルクが増えノーマルに比べてパワー感も増大、性能面ではとても満足のいく商品です。しかし慣らし中から少しづつ漏れてくるオイル、これがヘッドガスケットの不良とはつゆ知らずで他の要因かと探り始めていました。
調べを進めると原因はあきらかにこのヘッドガスケットによるもので、エンジンが暖まった状態で回転を上げるとガスケットから染み出て噴き出すほどの勢いでした。
オイル漏れの対策方法
過去の別件についてのアフターフォローは万全のメーカーでしたが、この製品に関しては責任丸投げに近い対応で(担当者によるものなのでしょうが)、強く訴えても埒が明かない様子でしたので自社クレーム受付とし対処する事にしました。
純正ガスケットが一番信頼性が高いのですが残念ながら既に販売終了。当社在庫品リストで見かけた記憶を頼りに探してみると、ありましたありました、最後の1枚です。ボア径は違いますがこれで事なきを得る事でしょう。エンジンオーバーホールに合わせてこのピストンキットを組み込みましたがその際にヘッド側とシリンダー側は『面研』を行っています。これでオイルが漏れると言う事はもうその時点でガスケット不良としか考えられませんでしたが、組み込みによる不具合なのかを検証するために時間を使いました。この後ホンダ純正のガスケットにて再組立てを行いますが、オイル通路回りには液状ガスケットを使い対策を講じての組み込みを実施しました。
【オーバーホール時の作業風景】
これから使う時の対処方法とは
~~~ズバリ、しっかりとしたメーカーの液体パッキンをキット付属のヘッドガスケット両面に塗って組み込む事、これでオイル漏れは無くなります。ガスケットにオイルが染み込んでそれが外に向けて染み出す構造ですので、ガスケット端面にまで液状ガスケットを塗布することが重要です。