旧車のヘッドライトを明るくする ~ハロゲン球からLEDまで

ナレッジ
Z1/Z2,W1S,W1SA,W3~旧車のライトを明るくする方法
車検合格に向けての光量アップ

安価な「LED」は使わずにハロゲン球のままヘッドランプブースターを使う

バルブ交換だけの物でしっかりとした明るさの出る製品は少ないので、HIDでもLEDにせよバラストなどのユニットが装備された製品を使わないと求める性能は得られません。


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レンズをマルチリフレクターにしないと効果が無い

LEDもHIDもヘッドライトレンズを「マルチリフレクター」にしないと意味が無い

ヘッドライトと言うのは電球の明るさだけで保たれている訳ではありません。
「集光」と言って所定の範囲に光を集め光量を増大させて正面を明るく照らしている構造です。
LEDもHIDもその殆どは電球正面には光が向かず、上面に光を飛ばす様な形状になっています。
そもそもこれはマルチリフレクターによって集光する事が前提となっている仕様ですのでこの様な形になっているのです。
ハロゲン球とLED・HIDの光は種類が違いますので、レンズにカットが入っている従来からのレンズでは光が「粒粒」になってしまいます。それにより集光作用も少なく計測器にかけると明るさの度合い・数値はとても低い物となります。

  【マルチリフレクターとは?】

レンズ面にカットが無く反射板の方に集光用カットが施された物。
原付Ⅰ種は導入が早かったのですが、250cc以上のオートバイの装着率が上がったのはそのもっと後になってからです(現行車両の殆どはこのタイプに切り替わっています)。
それに合わせて標準でLEDも装備され始めています。

旧車へのマルチリフレクター装着も随分と見かける様になってきました。

 


LEDも低価格商品が出回ってきました

電球のみをLEDに交換するだけで良い製品が多く見られますが、しっかりとした性能を出すにはHIDで言うバラストと同じユニットが付属された製品でないとなりません。

先端部に電動ファンが装備され発光部分を囲む様に冷却フィンが付いています。
この形態が一般的に出回っている製品ですが、電球部分の交換のみと言うお手軽さがあっても肝心の「光度」はハロゲン球を下回ります。
個体差もありますが今まで見てきた物の半分は光軸までもが大きく狂い検査にも不合格となっています。


ハロゲン球でも十分な光度が出せる

計測機器は「光源」を測っていて測定単位は「カンデラ」

見た目以上にハロゲン球は明るいのですが、その光の色や種類で明るく見られないのかもしれません。明るさの単位はワット・ルクスであったりルーメンやケルビンと言った様に表記方法が幾つかありますが、その全ての光の見方が違いますので注意が必要です。電気の電力強さであったり、対象物に照射された光の光量だったりと計測方法がまるで違います。
車検のライト検査は光の光源・光束の強さを測定しており、聞きなれない「カンデラ」と言う単位で表されています。簡単に説明すると光の束・光束の数を測定しています。ですので前述の「集光作用」が低い物は暗いと判断されて検査不適合とされてしまうのです。

 


 

車検合格ラインは「15000カンデラ」と言う単位で表される数値ですが、HIDもLEDも測ってみるとおよそ「24000カンデラ」前後です。

ではハロゲン球ではどうか?
ヘッドライトバルブを130W相当の物に交換し、バッテリー直結同様の明るさになる「ヘッドランプ・ブースター」と言う製品を取り付けて計測してみると、HIDとLEDと変わらぬ「23500カンデラ」をマーク。

~~~試験車両はヤマハのV-maxで行いました。