W1S,W1SA,650RS/W3のキャブレター新品部品~フロートとフロートバルブの交換

W3
W1s,W1SA,W3 キャブレター新品パーツチョイス
W1S,W1SA,W3のキャブレター部品

リプレイス部品・複製品では賄えない重要な部分がこの「フロートバルブ」です。既にメーカー販売中止ですが、同サイズでの「三國部品」としてのストックがまだ手元に相当数残っていますのでこれを使って整備を進めています。

スポンサーリンク

なぜ純正部品にこだわるのか?

「W」用のキャブレターパーツはアフターマーケットでは2社ほど販売しています。どちらも国産と謳って売られていますが日本製品と言うだけで実際に使うと消耗している筈の純正部品よりも燃料は濃く、プラグもすぐにカブってしまう代物でした。Z1/Z2用でも代表的な2社から(1社はこのWと同じメーカー)設定がありますがこれも酷く、サイドスタンドをかけるとオーバーフローしてしまうような造りで、何度かフロートの油面調整を行いましたが解決せずに純正品を再購入したと言う話もありました。

ですので高価ではありますが、なるべく純正部品を新品で使う様にお客さんには勧めています。Wのフロートはまだメーカー純正品が残っていますが、昨年は箱に入っていたのについ先日の注文ではビニールに入っただけの状態で届きました。カワサキの場合過去の経験から申しますと、「急に定価が上昇」または今回の様に「箱入りからビニール詰めに」のどちらかになると販売中止が近いものです。フロートのリプレイス品はなかなかしっかりとした製品が売られていますのでこれは心配せずとも大丈夫です。

しかし「フロートバルブ」に関しては先の「揺れるとオーバーフロー」という事件が幾度かありましたのでここは純正部品でないとなりません。

 

1台分・2個1セットで税込み12000円程です

フロートの油面調整

マニュアルではキャブを逆さまにした状態でフローバルブ先端にフロートのリップが触れた位置での規定値と測定方法が書かれています。この状態でフロート頂上からチャンバー合わせ上面までの距離を測ります。その数値は「27.5mm前後1.0mm」。

 

サービスマニュアルでの解説です。

経験上フロートが新品であるならば油面は少し下げめの「29.0mm」で良いです。キャブに問題が無くてもチャンバー内のパイプや大気開放穴へと、ガソリンは上っていく習性から外部に漏れやすいのでそれを抑える処置でもあります。仮にこれ以上油面を下げてしまうとガスが薄い状態となり吹け上り不良となり調子が悪くなります。

~~~フロートとフロートバルブが新しいと燃料供給が安定しますので、これで調子が上がった車両も過去に何台か確認しています。

~~~左右での油面を見てその誤差が大き場合は水平位置の調整を行って完成です。

 

 

フロートとフロートバルブの双方をセットで交換するのが望ましく、これによって微少なオーバーフローが止められます。「微少なオーバーフロー」とはコックオフの状態でもキャブレター下に付いたホースから若干量滴る事を指しています
フロートとフロートバルブの双方を交換しても、車体が揺れると下部ホースから「ポタポタ」とくる場合。これはフロートピンの受け側・キャブレター側のピン穴が摩耗して暴れてしまう事によって引き起こされるオーバーフロー現象です。この部分の修理は非常に特殊なものですので高度な技術を要しますが、十分に修理可能です。
こちらはあらためて機会を見て解説していきます。
カワサキ純正部品 2019年4月現在のフロートの税込み価格は?

 

部品番号 :「16031-011」

税込み定価:「4061円(3760円)」

~~~御覧の通りビニール袋のみの包装となってしまいました。

 

余談ではありますが全国的に有名なW保存会「W1クレージーズ」様。こちらで製作・販売されている「ジェットニードル」は大変良く出来ていて本当に調子良くなった車両が多く、絶賛するに値する素晴らしい製品でした。おそらく三國か京浜に製作依頼したのだと思います(なぜならばステンレススポークはダイドー(DID)、電装品は日立か三菱若しくはデンソーに製作依頼していた記憶がありますので)。

W1S~W3 キャブレター・セッティングデータ

 

サービスマニュアルからの抜粋です

【W3セッティングデータ】

VM28

  • ニードルジェット : 0-5
  • ジェットニードル : 5L1
  • パイロットジェット: #30
  • スロットルバルブ : 2.0
~~~以上を参考にセットアップの参考にして下さい