ZRX1100へ『ETC 2.0』取り付け解説~アンテナと車載器の設置位置を検証

【V~Z】
ZRX1100 ETC取り付け解説
ZRX1100へのETC 2.0取り付け概要

~~~2030年を目途に従来機器のETCはセキュリティの問題上使用不能となります。前倒しの可能性も高いので現時点では販売終了し、機器の生産は新セキュリティ対応の「2.0」のみとなっています(2019年7月現在)。

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アンテナ最小の名機『ミツバサンコーワ MSC-BE51』

どんな車両に於いても今まではアンテナ部最小のミツバサンコーワ・MSC-BE51を使っていました。

しかし残念な事に2019年3月をもって生産は終了してしまいました。これはセキュリティの関係で「2.0」へと移行したためです。アンテナが最小でしたのでハンドル周辺に設置しても目立たず、今回のZRX1100にはメーター上部に貼り付けるだけで良かったのですが・・・。

『ETC 2.0』はアンテナ幅が大きくインジケーターも追加

MSC-BE51のアンテナは本当に小さく、Z1/Z2のインジケーター内部に綺麗に収まる程でした

「2.0」になるとひと回り大きくなりますのでこれから旧車には考え物です。

ZRX1100の場合はスピードメーターとタコメーター間の隙間に貼り付けるだけで位置も角度も申し分のない設置でしたが「2.0」ではアンテナ幅増量の他インジケーターも追加されますのでステーの製作が必要となります(設置位置は同じですがアンテナ幅に合わせて上方に固定)。

作業準備~スムーズに進める為、外装は全て外して行う

フロントカウル、フューエルタンク、サイドカバー、シート、シートカウルを外して作業を行うと作業効率良好です。

アンテナとインジケーターを固定する「箱」を作る

既製品でこれと言った良い物が見つかりませんでしたのでステンレス材を使い設置用の箱を作ります。内にインジケーター、箱上部にアンテナを貼り付けると言ったところでしょうか。

90度に曲げられたステンレス材(厚さmm)を用意し、「くの字」パーツを2つ切り出し溶接して四角いBOXを作ります。横幅:30mm・縦幅:15mm、奥行き:30mm、といずれも内寸です。

メーターリングのメッキに合わせて箱の両サイドと正面・端面はバフ仕上げとしています

製作ステー(箱)の固定方法

まずはカウルを取り外し、メーターを外します(配線は外さないでOK)。ZRX1100は整備性が良く、メーター本体はスピードメーターワイヤーの他固定用6mmナットを2個外すだけで完了です。

箱はメーター・ロアカバー上部にネジで固定するようにします

スクリュー3本でロアカバーは外せます。順序としては箱側に2カ所ネジ穴を作ってから箱位置を決定しロアカバーにマーキング、そして穴開けとなります。固定用ビスはステンレス・M3の皿ビスを使います。それによって腐食も防げ、皿タイプにする事によりメーター内部への飛び出し量も無くスマートな取り付けが行えます。


箱側に穴開け・ネジ切りを行いメーターカバーに位置決めをして固定するのが正当な順序です

取り付け用ビスはM3・皿ビスを使用。 穴開けのピッチは15~20mmが妥当

穴開け後に皿ビスが収まる様にリューターで削ります

 

各部のセットアップ

この位置での設置は使用説明書記載の設定角度「0度~40度」の40度ジャストです

視認性も良く取り付け角度も絶妙です

アンテナ位置以上に頭を悩ませるのが「車載器」の取り付けです。どんな車種でもそうですがシートが鍵で開閉出来る場合はその中に収めたいのが整備者側の心情です。

~~~このZRX1100はシート下空間に余裕があり丁度車載器の厚みプラスアルファ分の隙間があります。

それは「ジャンクション・ボックス」の上。ここに車載器をセットします。

ここは随分な隙間が設けられていて、ここに車載器を設置しろと言わんばかりの有効スペースです。


 

 

画像で分かる様に、車載器のラインとジャンクションボックスのラインを並行に合わせた所が最適な位置です。確認すると二人乗りしてシートが押されてもまだ隙間があるのでここで全く問題の無い事が判明しました。


電源配線の取り出しはテールランプユニット・カプラーから引き出します。プラス配線は「赤」から、マイナス配線は「黒/黄」から取り出します。この車両はヘッドライトが常時点灯式ですのでメインスイッチONで電源が来る所、即ちテールランプ(尾灯)線です。作業はカプラーより端子を一度抜いたうえで新しい線を端子へハンダ付にて固定しています。

 

 

~~~以上がETC取り付け概要です。

すでにETCが組み込まれていても取り付けの修正が必要な場合はこのページを是非参考にして下さい。

シート着座用の突起で配線を潰さない様に線の取り回しを考えて作業を行う事が重要です