Z系キャブレターについてはこれまで多く解説してきました。
今回はキャブレター同調時の作業アドバイスに焦点を当てて解説しています。
Z1/Z2 初期タイプのキャブレター同調
初期のキャブレターは同調調整が「外側」にあります。
詳しい人ならばご存じでしょうがこの機構が厄介で、しっかりと調整してもアクセルの開閉・特にパッと手を離して戻したりするだけでその振動で同調は崩れてしまいます(エンジンをかけていない状態で)。
同調調整時のアドバイス
集合管でメインスタンドが無い場合は便利な「フロントスタンド」がお薦めです
調整機構は奥まった位置にあり工具を差し込み辛いので、アクセルを全開にした状態で固定してあげると作業がし易くなります。画像の様に、アクセル全開のまま太めのドライバーをワイヤーホルダーに当ててあげるとそのまま保持出来ます。
アクセルを保持すると調整機構が上に来てレンチをあてがい易くなります。
こうしてロックナットを緩めたらドライバーを抜き同調作業に移ります。4気筒同調を合わせたらロックナットを締めて完了となりますが、ロックナットの締め加減で必ず同調は狂いますのでここからが調整の本番の様なものです。固定しては合わせ直しの繰り返しになりますが根気よく、更には「換気よく」作業を行いましょう。後述しますがロックナットはあまりきつく締めないで大丈夫です。締め過ぎると左右を連結するプレートが変形して同調が更に狂ってしまう事になります。
合わせた同調を保たせる
初期タイプのキャブレターに至ってはこれが難しいのですが、なるべく狂わせず長く調子を維持する為には前述の「アクセルを不用意に触らない」事が真っ先に挙げられます。
アジャスターのロックナットは締め付け後、頭頂部に「ネジロック剤」を塗布して緩まない様に処置します。本来はネジ部に塗るべきものなのですが、同調作業は時間が掛かる事が多いので合わせる前に固まり始めてしまうと困り事です。同調完了後に上部に塗布して固まるの待って試乗しましょう。たったこれだけのものですが、その効果は十分にあります。
(ネジロック剤を塗布する時もアクセルを全開に保持すると良いでしょう)
ネジロック剤は「中強度」の物を使用します