車検・検査時で一番苦労するのがヘッドライトの光量と光軸
ここでは簡単に行える「光軸合わせ」の裏技とも言える手法を解説しています。
これは20年以上前から使っている方法ですが知っている人はなく、今回本サイトで初公開です。
『光量調整』についてはコチラ
光軸合わせの作業手順 ~テスターを使わず手動で調整
さほど難しい事は何一つなく、手順と方法が分かってしまえば簡単な作業です
- 車体を真っすぐに立てる。 ~前後輪接地の状態を作る。
- 前輪に板を当てる。 ~ライト光の確認用、ボードを立てる。
- 側面から見た照射範囲を確認。~ライト光上部とレンズ上部ラインの確認。
- 左右の照射範囲の調整。 ~フロントフェンダーを基準に左右調整。
車体を真っすぐに直立固定 ~前後輪を接地させる
メインスタンドを掛けた状態でジャッキを使い車体を水平に
センタースタンド・メインスタンドを使い車体を立てたら、ジャッキを使って前後輪が接地しているのと同じ環境を作ります。
~~~メインスタンドを使わず2人で作業を行うのもひとつの手段です。
一人が乗車し、もう一人が測定するとなれば調整環境が整います。
前輪に壁を当てる ~測定用ボードを固定
ライト光の位置を知る為の照射板を前輪に当てがいます
2人で作業できる環境でしたら一番手っ取り早いのは一人がオートバイに乗車したまま前輪を壁に当て、もう一人が横から光軸を確認すれば安全で間違いの無い作業が行えます。
慣れていればこの一連の作業はひとりでも行えます(実際の現場では私ひとりで一連の作業を行っています)。
車体のセットアップが完了したらライトを『ハイビーム』で点灯させます。
四輪と違い二輪は現在でもハイビームでの検査が通常です
ライトの光軸確認 ~上下方向の調整
検査で不合格する原因のひとつがこの「上下方向」の狂いです
ほんの数ミリの狂いで10m先では10cm単位での移動になるので調整は微妙です。
私も検査場へは25年通っていますが未だに落ちる事があります。これはレンズのカットによって同じ角度の移動でも光の上下動に相違がある為で、レンズカットに種類がある様にその種類によって調整の大きさが変わってくると言う事です。
レンズの違いで「照射範囲」が違いますね
ライトの光軸確認 ~上下方向
~~~車検時に於いてこの調整方法で約7~8割の合格率です。
検査時の要領としてはライト測定時はシートに座らない事。これはサスペンションの沈み込みでのライトの上下動を無くす為で、テスターにて調整する時も座らない方が調整時と検査時での沈み込みによる誤差が発生しないので同条件下での検査が行え合格率も上がります。
ライトの光軸確認 ~左右方向
レンズサイド(正面に向かって左側)にある調整用ビス(+)を回して左右の向きを調整します。
+ビスを時計回りに回すとレンズは左に向き、反時計回りに回すと右に向きます
~~~ライトリム(外側)とレンズ側内リムのラインの隙間が左右均等になるのが基本ですが、転倒などによってライトステーが曲がってしまっている車両はこの限りではありません。
フロントフェンダーを基準に縦方向として、ライト(内リム)のラインを横方向にすると「90度」の角度になるように調整するとほぼ正面を向く様になります。
検査時の光軸合格範囲について
決して真ん中でなくとも有効範囲が余裕をもって設定されています
「眩惑」の関係上、上下の範囲は「20cm内」と厳しいですが左右幅は「54cm」と広く設定されています。
W3とZ1/Z2のライト固定方法の違い