オートバイは1~2か月も乗っていないとエンジンがかからなくなる場合があります
バッテリー正常、放置前までは快調。そんな車両でも乗っていなかった時間が長いとエンジンはかからなくなってしまいます。
特に夏場はキャブレターに溜まっているガソリンが傷みやすく、短期間でもエンジンがかからなくなる事があります。
Zシリーズは古い燃料を抜く事から
乗っていなかった「Z」はまずキャブレターから燃料を抜きます
Z1/Z2に代表される「Z系」はキャブレターボディ下・フロートチャンバーに燃料を排出するドレンボルトが装備されています。
ここから傷んだ古いガソリンを抜いてからエンジン始動に臨みます。
充電器も種類が豊富にありますが「メルテック・パルス充電器」がお薦めです。
同社製でセルスタート機能付きの製品もあります
Wシリーズの基本はまずバッテリーから
Wシリーズはバッテリーが弱いと火花も弱く、エンジンはかかりません
しばらく乗っていなかったのなら最初の整備としてまずバッテリーの充電から始めましょう。
私がWの整備に使うバッテリーは同サイズで容量を大きくした「YB9L-B」です
キャブレターに燃料を呼び込む
キャブレター内の古い燃料を抜きコックをONにしてもガソリンが来ない事も
これはフロートバルブが軽く固着して燃料が流れてこない事によるものです。
ドライバーの柄を使ってキャブレターを優しく「コンコン」と叩いて振動を与えてやると解消されます。
時間の経過でオイルが下がりきると圧縮不足に
エンジン内部のオイルは重力によって隅々までが下に落ちていきます
オイルが下がりきってしまうとシリンダー内の気密が保たれずに圧縮不足を引き起こし、エンジンがかからない・かかり難い事象となります。
ポイント未点火 ~電源ONでもスパークしない
メインスイッチがONでも電気が来ない?
ZシリーズとWシリーズ、どちらもポイントカバーを外して火花の確認をすると火が飛んでいない様子で、マイナスドライバーでポイントに触れてもスパークしない事があります。
この場合はポイント接点部分を磨いてみるのもそうですがまずポイント間に電気を呼び込む為に、マイナスドライバーでカチャカチャと接触させてスパークさせる事が大事です。この時メインスイッチは「ON」で行い、電気が来るようになったらスイッチは「OFF」にしてポイント確認・調整に移ります。
エンジンがかかっても十分な整備を
それでもしばらく置いてあった車両は乗り始めは調子が悪い事が多いので、その他周辺整備が必要になります。
オイル・プラグ等はこの時一緒に新しくする事が望ましいでしょう。
乗らない期間が多くなりそうな場合は事前の準備が必要です。
乗る度にキャブレターOHなどとなってしまうと毎回溶剤でボディが溶かされてしまうので、貴重なキャブレターはすぐに使い物にならなくなってしまいます。
必要があればバッテリー液も補充し、充電をしておきます。