バリオス/バリオス2 ラジエターホースの交換 ~販売終了部品の製作方法と冷却系統のリフレッシュ

【は~ほ】
バリオスのラジエターホース交換について解説
バリオス/バリオス2 冷却系統の整備

バリオスのラジエターホース交換について解説しています

ホースだけでなくその周辺部品を含めた整備手引きとなっていますので是非参考にして下さい。
ホース交換にはラジエターとエアクリーナーボックスまで外しますので、今回はオイルの滲んでいたヘッドカバー・ガスケットも同時に交換しています。

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既に「旧車」バリオス

ラジエターホースの一部に販売終了品が出ています

バリオスに限らず水冷車両は経年劣化でゴム類が硬くなり、パイプの錆と共に液漏れの原因となります。バリオス1から数えると発売から30年の「旧車」です。販売終了品は既存の部品を上手く組み合わせて製作してあげましょう。

2021年2月現在ではホース1種のみの廃番ですので、今後他の部品が無くなる前に新しくするのが賢明です。

***下記画像はクリックで拡大されますので大きくしてご確認下さい***

パーツリストからの転用です。

×  ・・・販売終了品
✔&〇・・・交換部品

〇  ・・・この2種を組み合わせて販売終了品を作ります

クランプは交換しなくても大丈夫ですが、トルクがしっかりかからない物については(締め付けて空回りする物は必ず交換)取り換えます。
見積もり内にある最後のクランプ2個はホースを作る時に使用する物です。

ラジエターホース交換の場合、ホースパイプに使用されるOリング2種は必ず交換します。
予算に余裕があればサーモスタットの他、水温センサーとファンスイッチも交換すると
夏場のオーバーヒート対策にもなります(オーバーヒート対策方法は後述)。


販売終了したホースを作成

廃番となったホースはサーモスタットから左側パイプ(クランクケース側)へ接続される部分です。

そのホース形状を確認すると他機種流用せずとも同じバリオスでの他部分に使われるホースの組み合わせで対処出来そうです(流用は探すのに多大な労力が必要)。

販売終了したホースはちょうど1番プラグキャップ上を通っている部分です。


 

 


ホース製作に必要な部品

部品製作に必要な物を揃える

  • 純正ラジエターホース2種 (同バリオス用)
  • ホースパイプ       (ホース製作用社外部品)
  • ホースクランプ      (純正品・同バリオス用)

ラジエターホース

同じバリオス用のホースを2種類用意します。
ひとつはラジエターキャップとサーモスタットを繋ぐ物。もうひとつはシリンダー後方とウォーターポンプを繋ぐ部分の2種を使います。


 

 

部品番号39062-158239062-1583の2種類を使います。
同じ車種用だけあってホース径がピッタリと合います。また、長さも角度も合う事が確認出来ましたので最高の組み合わせです。「1582」はホースの両端径が同じで「1583」は双方でホース径が異径になっています。

ラジエターホース・パイプ

ホースとホースをつなぐパイプは品番「73547」、デイトナの「ラジエターホースパイプ」を使います。このパイプはステンレス製ですので錆とは無縁の良品です。
パイプ径もほぼ同径ですので水漏れの問題ありません。

ホースクランプ

デイトナのホースパイプに付属のクランプは大きすぎて使い辛いのでバリオス用を使います。
バリオス・ラジエターホースには2種類のホースクランプが使われていますが、径が小さい方の物を使います。部品番号は「92170-1285」です。

ラジエターホース製作

先の部品を組み合わせて廃番品を作ります

元のホースと形を合わせて組み立てます。パイプ長は40mmなので半分の20mmづつホースへ挿入します(位置がずれない様に片側挿入後クランプ(バンド)で軽く締めて固定しておきます)。

ホースクランプは仮止めの状態にし、車体組付け後に角度を微調整してからの本締めとします。
部番「39062-1583」のホースをサーモスタット側にセットすると純正ホース形状にかなり近い仕上がりになります。

***ホース径が大きい方をサーモスタットに向けて取り付ける様にします

ラジエターホース、冷却系統部品の交換・取り付け

ホースが完成したら周辺部品と合わせて交換作業に入ります

部品の外し方

 

古いホースは固着してガッチリとくっついている事が殆どですので細いマイナスドライバーを差し込み、回転させて剥がしてから抜き去ります。


 

 

ホース類全交換ですのでラジエターも外してしまうと作業性が上がります。
ラジエターは4カ所のボルトを取るだけで外す事が出来ます。

ヘッドカバーガスケットの交換手順も同じ要領でラジエターを外して行います


 

 

 

 

ホースは外す前に必ずバンド・クランプの位置を確認し、画像に残しておくと取り付け時に役立ちます。メーカーはしっかりと考えて位置を決めていますので新品交換時も参考になります。

一部工具の入り辛い部分がありますので、そこは工具が入る位置に変更します


工具の入らないシリンダー後部のホース

シリンダー後部のホースを外すにはエアクリーナーボックスを外さないとクランプのボルトに工具が入りません。

新しく取り付ける際には、次回の整備性を考えて車体側面にクランプが向く様に位置を変更して固定します


 

 

クリーナーボックスを外したら、ホースパイプ側クランプをプラスドライバーを使ってネジを緩めます。シリンダー側クランプへはドライバーが入らないのでスパナを使って回転させ、少し緩んだらクランプを回転させ横方向からドライバーを使って最後まで緩めます。

ホースを新品に交換しクランプを本締めする時は、車体側面・左側から締め込む位置で固定します。


腐食したパイプへのホース固定方法

サーモスタットとシリンダーパイプ部分は腐食度合いが大きい

腐食が酷い場合はシリコンガスケットを使って漏れ止め対策を行います。

細いドライバーなどを使って腐食した部分をそぎ落とし十分に脱脂、シリコンガスケットを使ってホースを固定します。この場合乾燥時間を永くとり完全硬化してからクーラントを注入します(約2日間)。


サーモスタットの位置を確認

左画像が整備前、右側がケースを綺麗にした後新しいサーモスタットをセットした物です。
キャブレター方面へ向かうパイプ側にサーモスタットのエア抜き穴が来る様に取り付けます(ピンクの〇部分)。


 

 

腐食したパイプへのホース取り付けにはシリコンガスケットをホース内面には極力薄く塗り、パイプ側にはやや多めに塗布して取り付ける様にします。
ここではワコーズ製品「ガスケットメイク」を使用しています

 


製作したラジエターホース

ホース完成後の取付で微調整

 

ラジエターパイプ側クランプはラジエター方向に、パイプ同士の接続部分のクランプは上向きにするとプラグ交換の時に干渉せず整備性が保たれます。

サーモスタットのケースは車体に固定されておらず左右からのホースで位置が保たれた状態です。ですのでホースの角度によっては上部を通るフレームに干渉してしまう事があります。
仮組してみてフレームに当たらない様にホースを回転させて確認し、より良い位置で取り付ける様にします。

この様に部品が販売終了していても工夫次第で再生可能となります。

 

なるべく同車両品で揃えるとパイプ径が合いますので容易に流用が可能となります。

夏場のオーバーヒート対策にはワコーズの「ヒートブロック・プラス」。
ラジエター液・クーラントはこの商品を使うと水温の上がり方がなだらかで水温も安定。
GPZ900Rの様に熱の逃げにくいオートバイ等には必需品です。