W1S,W1SA,W3のオイル交換~エンジン・クラッチ・ミッション、オイルの抜き方と注入方法

W3
W1S,W1SA,W3共通のオイル交換方法

ひとえにオイル交換と言ってもそのお店・作業員によって整備の手法は変わってくる事かと思いますが、ここではその中でも検証を基にした作業方法を紹介していきます。

オイルは性能信頼性が実証されている『A.S.H/アッシュ』を使います
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エンジンオイルの交換手順

オイルはその特性上温まっていると軟らかくなりますので軽く暖機してから行うのをお勧めします。

暖機運転ですが20~30分程度乗った後が理想的です。エンジン・ミッション・クラッチが別体ですのでクラッチとミッションはそれなりの時間を費やさないと温まりません
  • アイドリングが安定するまで暖気運転を行う。
  • センタースタンドをかける。
  • 右側・後部シフトリンクロッドを外します(M6ボルト・10mmメガネレンチ使用)。
  • オイルタンク下、17mmヘッドのオイルドレンボルトを緩めます(外れるギリギリまで)。17mmメガネレンチ使用

  • 「漏斗/ジョウゴ」を用意してオイルを受ける準備が出来たらペンシル型マグネットなどでドレンボルトを回して取り外す(ジョウゴ内にボルトを落とさない様にする為)。
  • オイルが出なくなったらドレンボルトを取り付けリンクロッドを仮止めする。
  • エンジンをかけ(回転は上げずアイドリング)、5~10秒ほど回したらエンジンをストップさせる。
  • 漏斗をあてドレンボルトを外すとエンジン側に残ったオイルがタンクに戻され再度ドレンから残りのオイルが排出されるので、これを2~3度繰り返す。

  • オイルキャップを外し給油口よりエンジンオイルを注ぎ入れる。
  • 2L程入れたらキャップを締めエンジンをかけ軽く温まったらエンジンを切り、30秒程おいて油面が安定するのを待つ。
  • オイルキャップに付いたレベルゲージで量を確認する(中央より上、約2/3程の位置)。

~~~これでおおよそオイル量は2.4~2.6リットルです。

他銘柄に入れ換える場合はオイルパンも外してあげるとオイル残りはほぼ解消されます



 

エンジンをかけたまま素早くジョウゴを取り付けオイルを排出する方法もあります。この場合オイルは良く抜けるのですがエンジンが完全に温まっている状態ですと各部にダメージを与え兼ねませんので、軽く温める程度で行います。それ以上に油膜切れを起こさないしっかりとしたオイルを使っている事も条件のひとつです。

オイルキャップは振動で締まる方向に動きます。
固くなって開け難い場合は画像の様な噛み口が樹脂のプライヤーで挟んで回転させると傷が付かず回し易いので、オイル交換用に1本常備しておくと良いでしょう。

オイルタンクキャップの他、マスターシリンダーキャップにも使えます。

 

 


クラッチオイルの交換手順

クラッチのオイルはエンジンオイル並みに汚れると言っても過言ではない程消耗度合いが激しいです。ですので不精せずにエンジンオイル交換に合わせた時期での入換えが理想的です。

  1. サイドスタンドをかける。
  2. クラッチカバー下側の13mmヘッドのオイルドレンボルトを外しオイルを抜く。13mmソケット使用

     

     

     

    ★アルミのガスケットは2回程使えます。

  3. 車体を左右に傾けて満遍なくオイルを抜く。
  4. ドレンボルトを取り付けたらセンタースタンドをかけ、オイルチェックボルトを外します(ドレンボルト上部のボルトがチェックボルトになっています)。

     

     

     

    ★ここのガスケットも2回程再利用可能です。

  5. 丸いカバーを取り外してそこからゆっくりとオイルを注入します。プラスドライバー使用
    ~オイル量約300ml

ミッションオイルの交換手順

ミッションオイルは殆ど汚れませんが、最低でも年一での交換をお勧めします。

  1. センタースタンドをかける。
  2. ミッションケース裏側(ケース下側)オイルドレンボルトを外す。14mmメガネレンチ使用

     

     

     

    ボルトヘッドは「14mm」です。

  3. 左右に車体を軽く傾斜させてまんべんなくオイルを抜く。
  4. ドレンボルトを固定したらミッションカバー下のM6・丸ビスのチェックボルトを外す。プラスドライバー使用
  5. ミッションカバー上部の17mmヘッドのボルトを外しそこからオイルを注入する。17mmメガネレンチ使用

     

     

     

    一気に注ぐと規定値より前にチェックボルトから勢い良く出てきてしまうので徐々に流し込むように注入します。

  6. ゆっくりとオイルを注入していくとやがてチェックボルト穴からオイルが滴り落ちてくる。オイルの滴りが無くなったらドレンボルト・丸ビスを取り付ける。~オイル量約350ml

 

 

 

「オイルが出てきたら」に合わせると曖昧な部分が出てきてしまいますので、時間は掛かりますがクラッチ同様にオイルが出てこなくなったらドレンを取り付ける様にします。

 


 

 

実際の交換作業では、エンジン・クラッチ・ミッションの3箇所でおおよそ「3.2L」のオイルを使います

補足情報版では実際の交換油量とメーカー公表値の違いまで解説していますので、今後の交換作業への参考にして下さい。
オイルは抜き方で注入量が大きく変わってきます。幾度かの経験で参考値に近づいて行く事と思います。